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すばらしき世界 (2020)

監督
西川美和
  • みたいムービー 715
  • みたログ 2,252

4.21 / 評価:1884件

元反社・・・なのに愛すべき愚直な男

  • mqq******** さん
  • 2021年6月18日 18時50分
  • 閲覧数 974
  • 役立ち度 17
    • 総合評価
    • ★★★★★

かなり評判も良く、面白そうで観たい観たいと思ってたらJ:COMの有料ので観れた。
元反社(ヤクザ?暴力団?)という時点でアレルギーな方も多数でしょう。私もヤクザや暴力団を美化するのは好きでは有りません。
ただ、この作品の役所さん演じる三上は胸糞悪くなるクズ・・・という感じでは全く無く、とにかく愚直・不器用で怒りをコントロール出来ない精神疾患といった色が強いです。
幼少期に養護施設に入れられ、母に見捨てられ?(はっきり見捨てられた、とまでは分からない感じでぼやけていましたが)14歳で初めて少年院に入ったのを皮切りに悪の道まっしぐら、ヤクザになります。
まあ同情すべき幼少期を送っても悪い道に行かない人も一杯いるでしょうし、そこで擁護すると批判の嵐でしょうが・・・(笑)
役所さんの重厚な演技の力もあると思いますが、ホントくそ真面目で根は優しい、熱い男なんだな?ともう序盤で応援したくなります。
シャバに出てキレた場面は例えばかなり夜遅くに騒いでる下の住民にまず注意、そこに居たどう見てもカタギじゃないドチンピラに挑発されまくったあとにきちんと外に来るように言ってタイマン。
暴力しまくった場面もマジメそうな一般人が完全な刺青全開のいかにもなチンピラ2人にからまれていたのを助けたわけで、チンピラ2人はボコられてざまぁ!としか思いませんでした。
正義感が強いんでしょうね、弱い物イジメを見て見ぬ振り出来ないタイプというか・・・
ちょっとやり過ぎ(痛めつけ過ぎ)でしたがとにかくやられた方がホントクズなので、ある意味「害虫駆除」、ヒーローですわ^_^
昔学校でも弱い物イジメを助ける番長みたいのいましたよね・・・
あ、でも暴力は勿論ダメです!
13年の刑期の原因の殺人も相手もヤクザで奥さんを守ろうとして・・・なので、いずれにせよ殺したらOUTですが、理由も無く弱い罪の無い人は絶対殺めない男です。
やや怒る沸点が低く、「アンガーマネジメント」なんて言葉が世に出て久しいですが、その怒りを我慢する姿もとにかく一生懸命で本当に応援したくなる元受刑者です。
怒りと笑顔のバランスが絶妙で、怒るきっかけさえ無ければ社会で上手くやれそうな人です。役所さん、本当上手いなあと思いました。
仲野太賀さん演じるテレビマンの下っ端?の青年はそんな三上さんに惹かれていき、なんとも言えない関係になります。
その仲野さんの上司の長澤まさみさんは結構ドライで人情タイプでは無く野心溢れるタイプでした。(意外に出番は少なかったです)貫禄出てきましたね〜・・・
生活保護の担当の北村有起哉さんや近所のスーパーの店長で同郷だった六角さん・・脇を固める役者陣も良かった良かった。
やっと雇えてもらえた施設で、一見よさげな男の職員が障害者枠の職員をイジメていて、またキレる?と思いきや笑顔で我慢出来たのは本当に成長?出来たんですね。
ただ最期はアパートで息を引き取る・・・
ヤクザを美化するな!との批判を完璧にシャットアウトでもすべく死んだのかな?
・・・と複雑な気分になりました。
支える人も出来て、しかも別れた奥さんとも会う約束出来て、これから「すばらしき世界」を送れると思った矢先・・・

まあ亡くなる直前が三上にとって「すばらしき世界」だったのでしょう。

テンポも良く、過剰なくどい演出も無く、とにかく退屈しませんでしたし、色々と考えさせられるいい映画でした。
ヤクザを美化したり擁護したりはしてませんのでそういったアレルギーの方も大丈夫と思います。
怒りのコントロールが出来ない不器用過ぎる男がもがきながら生きていく話ですね。
たまたまヤクザだっただけでね。

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