すばらしき世界というタイトルは皮肉か?
- moonchild33jp さん
- 2021年2月24日 10時04分
- 閲覧数 481
- 役立ち度 12
- 総合評価
最近10分程度の動画に慣れてるので、126分の長時間もつかなと観たが役所さん始めとする名優達に引き込まれ、あっという間でした。笑えて泣ける映画です。
役所さん演じる三上は、幼少時のネグレクトが原因なのか不器用で愚直な性格。一般人の軌道から外れてしまうが、その真っ直ぐさゆえか単に物語だからか、良い人達に囲まれて三上の人生は完結する。最期コスモスの香りに母の面影を感じて逝けたなら、それはこの上ない幸せな終わり方だったのだろう。
刑務所に1度入ってしまうと更生は難しく再度、刑を犯してしまう危うさを上手に描いていた。社会に順応できない人間を阻害する、いや、阻害せざるを得ない社会を、すばらしき世界とは皮肉としか思えなかった。前科歴が無い一般人と呼ばれる人々も同調圧力の中で耐える事が常態化しているので、是非を問わず軌道を外れる人間に殊更厳しい目を向け、この世界を生き辛くしている。この世界は誰にとって、すばらしき世界なのだろうか。
原作は身分帳という題名らしいが、何故、このタイトルにしたのか気になるところではある。
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