全てが詰まってる凄い作品
- mai***** さん
- 2021年1月4日 16時18分
- 閲覧数 186
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- 総合評価
植え付けられた恐怖
生みの苦しみ
罪への赦し
仲間との出会い
与えられる喜び
学ぶ大切さ
持つ者と持たざる者との格差
嫉妬や欲望、誠実さ
戦争の悲惨さ
一つの作品に全てが詰め込まれている。
前例のない大事業。
未開拓の豊穣なる大平原の前では博士であろうが狂人であろうが
ただ好奇心いっぱいの無邪気な子供になるだけの事
人々の営みが紡ぎあげてきた膨大な時間の前に
ただ一心不乱に取り組むだけの事。
それが狂人の心の不安を取り除き
ゆえにイライザが狂人の本当の姿を認め
しかも言葉を教えてくれる先生となる。
その先生が教える言葉の一つ一つが彼女にとっては未開拓の豊穣なる大平原。
『知る』事の尽きる事のない興味深さと喜びを知ってしまうと
彼女もまた無邪気な子供。
その時間こそが赦しにつながっていく。
本当の赦しとはこうああるべきだろう。
でもできないから刑期を決めて服役する。
イライザのような時間を持つことが出来たら、憎しみは少しは減っていくのだろう。
欲にかられた奴らの行動は推して知るべし、いつの時代も変わらない。
そういう連中の妨害の総てを乗り越えて生み出されていく辞書。
未開の大平原に燦然と輝く道しるべが生み出された瞬間。
果てしなく続く大平原には未だ拾い切れていない言葉たちがある。
人の歴史が続いていく限り、彼らのような人たちの冒険の歩みが止まることはない。その事をこんな風に映画として残すこともまた一つの記録映画なんだろうと思います。
とても素晴らしい作品でした。
2020年1月2日シネマテークたかさきで鑑賞
詳細評価
イメージワード
- ロマンチック
- 勇敢
- 知的
- 切ない
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