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幸せへのまわり道 (2019)

A BEAUTIFUL DAY IN THE NEIGHBORHOOD

監督
マリエル・ヘラー
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  • みたログ 224

3.98 / 評価:161件

怒りに満ちた人を変えた成長と再生の物語

  • wxj******** さん
  • 2021年2月1日 19時40分
  • 閲覧数 343
  • 役立ち度 0
    • 総合評価
    • ★★★★★

子供向けテレビ番組の司会者として、人気者のフレッド・ロジャース。
冒頭、番組をスタジオで撮影している様子が描かれて始まる。

軽快に歌いだすトム・ハンクス、朗らかで独特の雰囲気を醸し出す。
ソフトな語り口で、傷ついたロイド・ホーゲルを紹介するが・・・。

そして、雑誌記者として華々しく活躍する、ロイドの日常を映し出す。
愛する妻と、産まれたばかりの子供と暮らす、穏やかな日々。

ある日、ロイドは姉の結婚式に招待され、絶縁していた父と再会。
過去に、家庭を顧みず、自分たち姉弟を捨てた事を許せずにいた。
孤独の中で死んだ母を想い、ずっとわだかまりを抱え続けてきた。

年老いた父は、今では反省して、距離を縮めようとしているようだが。
ロイドは父を許すことが出来ず、取っ組み合いの喧嘩となってしまう。

父の不在により、これまで寂しく辛い想いをしてきたことが分かる。
ロイドは短気ではあるが、気楽に近付く父に苛立つのも納得な感じ。

数日後、ロイドは編集部の依頼で、フレッドの取材をする事に。
彼に関する記事を書くため、連絡を取り仕事場を訪ねる。

フレッドは、すぐにロイドが抱える家族の問題や、心の葛藤を感じ取る。
洞察力が優れているのか、天性の勘が働くのか、人を見抜く才能の持ち主か。

インタビュアーはロイドなのに、逆にフレッドから質問攻めとなってしまう。
これじゃ取材にならないと、ロイドは再度アポを取り会いに行くのだが。

フレッドが語る言葉が、とても優しく温かみがありながら、急所を突いてくる。
宗教的であり、人生を達観しているような深みがあり、胸に響くものがある。

彼の番組は、子供向けでありながら、生きる上で必要な道徳を伝える内容が多い。

フレッドなる人物を知らず、番組を見た事が無いので、想像でしかないが。
誰もが知る国民的大物司会者で、誰からも愛される人気者だったのだろう。

地下鉄で彼を見つけた人々が、車内で一斉に番組のテーマソングを歌いだす。
老若男女が不思議な一体感に包まれた、奇跡のような瞬間に感動した。

ロイドも驚き、彼の不思議な魅力に次第に惹かれていく。
当初は、自分の辛い古傷や現状をつつかれるのを、拒んでいたのだが。

少しづつ自分が抱える闇を吐き出し、心情の変化を見せていく。
やがて二人は、取材の名目を越えて、公私共に交流を深めていく。

その過程で、聖者とヒーロー視されているフレッドにも、悩みがあると分かる。
怒りなどの感情を、コントロール出来る素晴らしい人格者のフレッド。

だが、誰にでも問題があり、極めるまでの苦労や葛藤はあるものだ。
フレッドが語る我が子とのエピソードは、とても切なくてたまらなかった。
人気者であるが故の、人知れず付きまとうプライベートな問題。

ロイドはフレッドの影響で、父と向き合い受け入れることが出来るように。
赦しの美学、怒りより人を赦すことの尊さ、大切さを教えてくれる。

父とだけではなく、妻とも向き合い、家族の絆と愛を取り戻す。
初めて自身が父になったことで、気付く事、分かる事も多かっただろう。

フレッドの人となりを描きながら、ロイドの人生再生物語となっている。
随所で挟まれるジオラマの世界も、幻想的で夢のようで可愛らしい。

そんなロイドが綴った記事は好評で、雑誌の巻頭を飾る事となった。
彼は人間的にも、記者としても成長を遂げた事が分かる。

ラストの奇跡的で爽快な着地点は、ホッコリと心温まり感動的だった。
スターだがスターぶっていない気さくなところも、とても好感が持てる。

究極の「人たらし」であるフレッドが、最後にピアノの鍵盤を叩く。
ふと見せる人間味溢れる姿に、余計にホッとさせられて良かった。

最後に実際の人物が登場するが、顔は違えど醸し出す雰囲気の再現度は見事。
さすがのトム・ハンクス、成りきり度がスゴイ!と感心した。

詳細評価

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