レビュー一覧に戻る
タイトル、拒絶
2020年11月13日公開

タイトル、拒絶

R15+982020年11月13日公開

ジュン一

3.0

どっか~んと一発やってみようよ

大卒なのに就活で落ち続け、 何を思ったからデリヘル嬢に志願。 にもかかわらず、初出勤でキモイオヤジが迫るアップ顔に 「とってもムリ~」と逃げ出し、 結果、同事務所でスタッフとして働く『カノウ(伊藤沙莉)』。 そこは、高圧的な店長が仕切り、 年齢も過去も様々な女性達が出入りする場所。 金への欲と人気ランクへの怨嗟が渦巻き、 混沌とした様相を呈している。 監督の『山田佳奈』は舞台出身とのことで 本作も2013年の初演モノの映画化と聞く。 なるほど、冒頭からそれっぽい造り。 実演では傑作と評されても、スクリーンに定着させると 凡作以下に成り下がるケースが多い中、 同様の轍を踏まねば良いがと 観る側の心中はあまり穏やかならず。 そこで働く彼女等のキャラは夫々立ち、 一方で背景や巻き起こる嫉妬はありがち。 男性従業員との関係性も含めある意味ステレオタイプな いざこざが繰り広げられる。 尺の関係もあろうか、個々人を深く掘り下げるエピソードは過少で なかなかに感情移入しづらい流れ。 終盤に向けても、多くの関係者にケリをつけさせようと かなりムリをしてシーンを押し込んだ感があり。 もっとも今回を足を運んだ目的は 主演の『伊藤沙莉』を観ることにあり。 直近公開の〔ホテルローヤル〕ではJKを演じていたけれど、 今回は等身大により近い年齢の役柄で不自然さはない。 共に{グランドホテル形式}な展開は 単なる偶然かと独りほくそ笑む。 冒頭のシーンで彼女の腹が割れていることに先ずは驚き、 子役出身ながら多くの舞台人と交わる中で きちんと身体を鍛えた結果だろうかと、勝手に思ったり。 微妙な立ち位置の狂言廻しをきちっと演じ切り 最後の泣きのシーン以外は満点の出来だったと 個人的な感慨。 もう片方の主要な登場人物『マヒル』を演じた『恒松祐里』も 〔サクラダリセット〕の頃よりは格段に良くなっているし かなりの存在感。 しかしラストの「どっか~ん」の科白は 〔告白〕での『松たかこ』にはまだまだ及ばない(笑)。

閲覧数1,410