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詩人の恋
2020年11月13日公開

詩人の恋

THE POET AND THE BOY

PG121102020年11月13日公開

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5.0

このやるせなさを女性監督から語る。

BL感覚はある。 ただよくあるゲイ映画とは違う。 不妊治療している夫婦のダンナが不幸な青年に恋わずらう。 男性ふたりはキスすらない。抱擁も。 人生のやりきれなさに泣く青年の、肩をやっと包む詩人の手が小さい。 どうしてそんなに小さいか、疑うほど小さい。 本作の女性監督は脚本も書ける人だが、演出も長けている。 その場面で確信した。 女房は行き遅れたと言われ結婚できれば良いと思っていたと話す。でも人は欲張り。子供も欲しい、と。 詩人はお花畑にいる世界の詩しか書けない、苦労を知らない人なのだろう。 食べる苦労すら知らない、女房の稼ぎで生活している詩人が若くして不幸な青年に出逢う。 同情かなにか分からない感情で青年に寄り添う。 女房にも意地がある。生活も人生も欲もある。 不妊治療の甲斐あり妊娠により青年は詩人から去らなければならない。 詩人も青年もお互いの想いを伝えられず離れ離れになるしかない。 詩人はお花畑から現実にある苦悩と悲しみを書けるように成り、青年は自律する途をゆく。 女房はダンナと愛娘の誕生日を笑顔で過ごす。 青年は独り寒い街で白い息を吐き、詩人は恋を想い涙を流す。 このやるせなさを女性監督から語られた事にも興味が尽きない作品であり、いつまでも余韻に浸る。

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