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詩人の恋
2020年11月13日公開

詩人の恋

THE POET AND THE BOY

PG121102020年11月13日公開

mai********

4.0

悲しみに寄り添う

それが恋だったのかどうかはわからない。 自分の本意通りになる人を求めていて、それを見つけたから大切だっただけなのかもしれない。 乏精子症と告げられ、男としての自信を喪失していただけだったのかもしれない。 その生活状況や肉体状況で左右される精神状態。 それがただ彼を求めただけだったのかもしれない。 人は誰でも自分の思い通りになる人、できる人を身近に置きたいものだから。 ただ、彼の悲しみだけはちゃんとわかってたハズ。 自分自身が心にスキマを抱えていたから。 同じような、それ以上の満たされない思いを抱える人を 見つけてしまったからこそ寄り添いたかった。 そうすることでお互いの心の傷を癒せるかもしれなかったから。 無限の想像の翼を広げる詩の世界 そうやって常に想像をし続けていたからこそすぐにわかった彼の悲しみ でも寄り添う事で創作が上手く行ったわけじゃない。 突き放されて、離れ離れになったからこそ上手く行った。 悲しみに寄り添う事が詩人の得意ではなく 自分が悲しい思いを抱え込んでどうしようもなく慟哭することで より大きくより深く想像の翼を広げられた。 別れたからこそわかる。 彼に自分が必要だったんじゃない、自分にこそ彼が必要だったと。 それが恋だというのなら、それは恋で良いのかもしれない。 ヤン・イクチュンさんの変幻自在を見せつけられた。 ただ一つ共通するのは心のどこかに悲しみを湛えている人だって事くらいか 『息もできない』『あゝ、荒野』とどこかに悲しみや寂しさを湛えている人物を演じさせると何とも言えない味わいを見せる人だなと改めて思いました。 2021年2月11日シネマテークたかさきで鑑賞

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