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上映中

ノマドランド (2020)

NOMADLAND

監督
クロエ・ジャオ
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  • みたログ 1,832

3.83 / 評価:1351件

孤独という道連れ

  • じゃむとまるこ さん
  • 2021年3月30日 13時26分
  • 閲覧数 4133
  • 役立ち度 92
    • 総合評価
    • ★★★★★

雄大な自然と一体化するように車を走らせる、喪失を受け入れ、孤独を友として生きる、そこには普通の希望はないのかもしれない、普通って何だろう、自由に生きる先にあるのは野垂れ死にかもしれない、それでもこの映画のラストシーンはある種の憧憬を感じさせる(アメリカならではであり日本人には共感は難しい面もあると思う)、それは普段は日常に流され忘れ去っているものだ、でも消え去ったものではない、そこにこの映画は訴えかけてくる、心の底まで静寂がいきわたる、その静寂は彼女が受け入れた”生きる”ということに、普遍的なものが感じられるからだろう。

ノマドの厳しい日常が描かれる、しかしかけがえのない一瞬も。
そして人は広大な自然の中でちっぽけな存在であるということも。
好んでノマドになったわけではないファーンが、ノマドとして生きる覚悟を得る1年間を描いているが、そこに見えてくるのは、自由と個人主義の国アメリカの現在でもある。

荒涼とした砂漠、どこまでも続く平原、厳しい自然のアメリカ西部、悲しさ、不安、孤独、そんなものを感じさせるファーン(フランシス・マクドーマンド)の表情、峻厳としたものを感じさせるが、それと対比する瑞々しいピアノ曲、チョイスされた音楽も良い。
どんどん自然に溶け込むファーン、フルヌードのシーンがあるがとても美しい。

人は孤独では生きられないという、一人では生きられないともいう。
そうだろうか、ファーンには肉親もいるし一緒に暮らさないか、という人もいた、でもそこでの彼女はより孤独に見えた。

人は所詮孤独だ、しかしその孤独にもいろいろある、そう考えさせられた映画でもあった。

108分という比較的短尺なのもよく練られていると思われた。


余談
2020年、柳美里氏の「JR上野公園口」が全米図書鑑賞(翻訳文学部門)を受賞した、その理由がわかる気がする映画だった。

人生には、過去と現在未来の分け隔てはない。
だれもが、たった一人で抱えきれないほど膨大な時間を抱えて、生きて、死ぬ・・・・(本文抜粋)。

詳細評価

物語
配役
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音楽

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