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上映中

聖なる犯罪者 (2019)

BOZE CIALO/CORPUS CHRISTI

監督
ヤン・コマサ
  • みたいムービー 143
  • みたログ 222

3.71 / 評価:173件

現実の事件を元にした物語ならでは

  • tan******** さん
  • 2021年3月24日 16時56分
  • 閲覧数 229
  • 役立ち度 0
    • 総合評価
    • ★★★★★

偽物なのに本物の神父よりも、住民信者たちの信頼を得るというような展開は予想されていたものでしたが、それが発覚してからのラストに至る筋書きは意外なものでした。
嘘がばれた後もその功績が認められると思っていたのですが、いなかったことにすると宣言されるところが、まさに、この映画がフィクションでなくて、現実でおきた事件を元にしていることがよくわかる展開でした。
フィクションなら物分かりがよく、権力もある大人物の神父がでてきて、神学校に特別に入学許可を出すとか、司祭の下で雑用係の助手として働ける場を与えられるとかの円満ストーリーになるでしょう。
しかし、この映画は違いました。
少年院の窓や壁にべたべたと張られた聖人の絵や十字架を、これみよがしに映すシーン。
そこでボランティアで働く神父たちは、結局は誰も救ってはいない、何も解決はしていないと、宗教精神を重んじる洋画には珍しい、宗教否定がこの映画には根底にあって興味深かったです。
厳密には宗教否定ではなく、現状のカトリック制度の在り方の否定であって、むしろ重大な宗教的問いかけをしています。
主人公自身は、神を信じることで少なくとも自分は救われました。
だからこそ、それを他の人たちの救いに結び付けたいと考える、極めて宗教的に純粋な動機です。
それが評価されないことは、信心とは何かの疑問が湧くのは当然です。
極めつけは、カトリック教ではとくに嫌われる自殺、それも、自分の周囲の人たちが悲しみ、罪悪感で苦しむことを期待した最悪の自殺。
それをした者の埋葬を、知ったからこそ毅然と行う偽神父。
事情を察していて、無視を決め込む町長と遺族たち。
そこに信心に対する、極めて大きな宗教的な投げかけもされているのです。
そうでありながら、ありがちな宗教的な価値観の押し付けがましいところは微塵もありません。
実話を元にしたからこそ、現代の宗教が抱える問題をリアルに描けたこと。
それこそがこの映画を素晴らしいものにしているのでしょう。

詳細評価

物語
配役
演出
映像
音楽

イメージワード

  • 知的
  • 絶望的
  • 切ない
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