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DUNE/デューン 砂の惑星 (2020)

DUNE: PART ONE/DUNE

監督
ドゥニ・ヴィルヌーヴ
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3.77 / 評価:1511件

壮大な序章で終わるが後篇も観て欲しい

  • chu***** さん
  • 2021年10月16日 4時00分
  • 役立ち度 97
    • 総合評価
    • ★★★★★

美しい
それが最初に頭に浮かぶ。
作り手の美意識を感じた。

原作を読んだのははるか昔。中学生だった。フランク・ハーバードの死亡記事に未完の二文字にショックを受けたのもはるか昔。
彼らの言葉が、記憶の引き出しにある言葉を引き出す。ちゃんと憶えてる!
いくつかの変更はみられるものの、調和のある構成と原作への敬意が感じられた。
さらには、幻のホドロフスキー版映画化計画の造形コンセプトすらも組み込まれていたことには驚いた。
登場人物たちの生死については、え!それ変えちゃうの!したら今後の展開は、とやきもきしたところで、収まるべきところに収まったのでホッとした。
リエト・カインズ博士の性別が変わったことは、その性だからこそ、という影響は全くないとしか思えず、変える必要はなかったと思った。
しかし、思った以上に、登場人物の演者が皆ぴったりで満足。
主人公ポールを演じたティモシー・シャラメは年齢的にも原作にしっくりであった。
「テスト」のシーンは原作愛読者も前作の映画を観た人にも気になるところであろうが、彼は、見事に演じた。特撮ではなく演技で苦痛を見事に表現してみせた。
また、ポールの母であるレディ ジェシカのキャラクター表現は、こう来るか、と感心した。
ただ、アトレイデ家に限らず仕える面々の職種には特異な特徴があるのだが、その説明がないので、人物がスルーされるような気がするので、そこはがっかりであった。
そして、多くの気になるキャラといえば、ハルコンネン男爵とその甥ラバンであるが、デヴィット・リンチ版とは、また趣の異なる静けさのある狂気の雰囲気を出していた。

そして情景は美しい。
ドゥニ・ヴィルヌーヴ監督は、グリーンスクリーンを背後に撮影したのは2シーンのみだったと明かした。砂漠シーンはほぼ全て実際に現場で撮影され、撮影後に視覚効果を加えたシーンは最小限に留まっているという。
よって、張りぼて感のないナチュラルな情景に仕上がっている。


本映画は、前後編の二部作で、本作は、前半部分に当たる。
はっきり言ってしまえば、展開が早く派手な活劇でないと退屈な人には長く退屈かもしれない。しかも原作を知らない人には、序章で終わった感だと推測する。

ちなみにざっと粗筋を言うと、

宇宙飛行において必須な惑星アラキスで採掘されるメランジを支配することは、即ち宇宙の覇権を握ることであった。
長らく残虐なハルコンネン男爵家の統治下にあったアラキスを、皇帝はアトレイデ公爵家に任せることに決定した。陰謀を感じつつも、公爵家はアラキスに降り立った。

はっきり言って粗筋だけだと何がすごいのかさっぱりな作品。原作が世に出てから数十年。一番熱狂した世代は75歳以上でしょう。
電脳世界世代では映画に物足りなさを感じるかもしれない。
それでも言わねばなりません。
この映画の原作が誕生したから「エイリアン」という稀代のSFホラー映画が生まれたのだと。ナウシカが生まれたのだと。
多くの映画づくり屋が手を伸ばし挫折したのだと。やっとなんとか映画化した作品も賛否両論となった。

前半にあたる本作は、
アトレイデ家をしっかりみせていた。
芳醇な水と緑豊かな惑星カラダンと砂漠の惑星アラキスの対比が上手い。
真逆な世界に降り立ったアトレイデ家の心理をきちんと表現している。
じっくりと腰を据えた物語進行は、原作の主題を意識させる。

原作は、アメリカSFに燦然と聳え立つ非常に高い山である。
この作品は最初の「生態系SF」として60年代大ブームを全米に巻き起こした。
また、メランジという物資については、当時アメリカで蔓延していた薬物を起草としたのだろうと推測している。
また、この作品においては、女性の立ち位置が重要だ。
この作品に初めから終わりまで(未完に終わるそのときまで)、非常に重要で強大な位置を占めるのか、ベネゲセリットという女性だけの結社である。
ベネゲセリットは、人為的交配で「クイサッツハデラッハ」という超人を誕生させようと目論む。その目的がため、帝国に根を張る。
そして、ジハード(聖戦)。

クイサッツハデラッハとは何か。
メランジとはなんなのか。
そして、砂虫の役目とはなんなのか。
なぜこの物語が「生態系SF」と言われるのか。
ジハードはどうすれば回避できるか。
それが物語の肝。

本作が退屈した人も、後半は、躍動感ある展開が目白押しになるはずなので、評価は後半を観てからにしてほしい。

詳細評価

物語
配役
演出
映像
音楽

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