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DUNE/デューン 砂の惑星 (2020)

DUNE: PART ONE/DUNE

監督
ドゥニ・ヴィルヌーヴ
  • みたいムービー 558
  • みたログ 1,895

3.77 / 評価:1558件

原作を完璧に映像化

  • mpg******** さん
  • 2021年10月16日 12時15分
  • 役立ち度 53
    • 総合評価
    • ★★★★★

[50代男です]
それぞれ一つの貴族の家系が統治する惑星4っつで構成されている、まるで暗黒時代のヨーロッパのような世界観の宇宙帝国が舞台。
その帝国内の砂の惑星は、悪の一族が統治していたが、皇帝がそれを立ち退かせ、新たな統治者として主人公ティモシー・シャラメを王子とする一族が任命される。
しかしそれは主人公の一族を潰そうとする皇帝の罠だったので、主人公たちが大挙して砂の惑星に移り住んだとたん、悪の一族と皇帝の合同軍の奇襲攻撃を受けて全滅し、父王も殺されてしまう。
阿鼻叫喚の中、主人公は母親と2人だけで砂漠地帯に逃げのび、原住民である砂漠の民に救われて、共に暮らすことになる。
彼らに伝わる伝説によると、主人公は自分たちを救う予言された救世主ではないかという……。
というあたりでパート1である本作は終了。

救世主となった主人公が砂漠の民の軍勢を指揮して、悪の一族を攻め滅ぼすのはパート2で。

幸せな生活をしていた主人公が、悪に家族を皆殺しにされて逃亡、そして逃亡先の人々を味方にして反撃を開始、悪を滅ぼす、という、世界中によくある古典的な冒険物語の基本パターン通りのシンプルな粗筋。
なのに、本作は、舞台となる宇宙を構成する、現実の宇宙とは違う設定が、網の目のように緻密に作り出されていて、そのために生み出された大量の固有名詞が飛び交う内容なのに、それらが必要最小限の説明しかされない。
小説なら、意味を理解するのにちょっと読み返したりもできるが、映画ではそうはいかないので、簡単な話にもかかわらず、意味が分からない固有名詞のせいで難解で複雑極まりないかのように感じてしまう人もいるだろう。

●知っていれば鑑賞時にずいぶん理解しやすくなる言葉
《香料》=メランジ=砂の惑星だけで産出されるもので、宇宙の長距離ワープに必要不可欠なので最高の貴重品
《フレーメン》砂漠でも生きていける、砂の惑星の原住民。
《ベネ・ゲセリット》フォースみたいな力が使える怪しい女たちのこと。中世のキリスト教みたいに、国家を問わずに入り込んでいる、超国家の宗教組織。(彼女たちの特殊能力は本作の宇宙ではなぜか女にしか発現せず、彼女たち組織の最終目標は、交配による遺伝子操作により、男にその能力を持った者を誕生させることで、それが救世主と呼ばれる存在であり、つまり救世主とは男のベネ・ゲセリットのこと。これが一番核になっている設定だが、本作ではまだそのことに触れていないし、ベネ・ゲセリットについて全然説明しないので、このあたりは訳が分からない感じになっている)

もともと原作小説の人気も、『指輪物語』と同じように、完璧に構築された別世界を楽しみたい人を満足させる、ということが土台にある作品なので、世界観などどっちでもいい人には退屈な描写ばかりという印象になるだろう。
あの原作の映画化で、これ以上にはできない。
これが面白くないという人は、原作からして気に入らないだろう。
もともとストーリーが最高だから人気があったという原作ではない。
それだけのことだ。

デビッド・リンチの「砂の惑星」も粗筋は原作通りだったが、本作はもっと原作に近い。
上映時間にゆとりがあるからだけでなく、旧作はリンチの変態的な趣味が加えられたシーンがどれも感じ悪かった。
だから本作が登場した今となっては旧作は消滅してもいいと言いたいところだが、正直僕はティモシー・シャラメよりカイル・マクラクランのほうが好きだし、音楽もTOTOのほうが良かった。
しかしその2つ以外は文句なく本作の圧勝。
そして本音で言えば、僕には最大の違いで一番良くなったところは、この世界の航空機である“はばたき機”が、本当にはばたき機になっていたことで、その他すべてのデザインも、断然良くなった。
旧作は美術デザインが悪かったのだ。特にはばたき機が最低で、オーニソプターなどと名乗るな、という感じだった。
旧作は不人気のため一作目で終わってしまったが、『砂丘の子供たち』までをこのレベルで映画化してくれるのを期待している。

詳細評価

物語
配役
演出
映像
音楽

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