作品レビュー(32件)
- shoko
4.0点
数日前にネットフリックスで鑑賞。 「市民ケーン」の脚本家の話だと聞いて、まず「市民ケーン」をみてからのぞんだのですが、その程度の予習では全然足りませんでした。 「市民ケーン」製作時の話で、オーソン・ウェルズもでてくるし、見なかったらもっとわからなかったのは確かですが(笑) 映画好きで古い映画もわりと知っている方なのですが、当時の映画業界や政治事情などもっとつっこんだ知識がないとついていけません。 さすがにルイス・B・メイヤーはわかりますが、セルズニックとかタルバーグとか1934年のカリフォルニア州知事選とか、知らないし。 あ、でも当時のフェイクニュースとかは面白かったな。本当にこんなことがあった? 話がわかりにくい理由は時間が何度も過去に戻るからで、まったく親切じゃないし、特に効果的でもなかったです。 「市民ケーン」のフラッシュバックスタイルを踏襲しているのはわかるのですが、「市民ケーン」よりこちらの方がよっぽどわかりにくいよ。 白黒撮影や光や影やアングル、そして音もまるで「市民ケーン」のようで、この映画がアカデミーの撮影賞を受賞したのは納得だけど、脚本や編集、演出はとにかくついていける人だけどうぞ的な不親切さ。 でも俳優さんはよかったですよ。 ゲーリー・オールドマンもアマンダ・セイフリッドも。 新聞王ハースト役は、「ゲームオブスローンズ」のタイウィン・ラニスターだし。 俳優さんの良さで忍耐して最後までみていたかんじ。 オーソン・ウェルズ役の人は、実物の方がよっぽどいい男と思ったけれど。 でもゲーリーさんはその当時のマンキウィッツさんよりずっと年上だから、それもわかりにくさに加担した面もあったかも。 英語でみたのですが、英語字幕をオンにしていたから、言葉の意味がわからなかったわけではないのですが。 アカデミー作品賞にノミネートされていたので、ちょっと期待が高すぎたのかもしれません。 一番の収穫はおかげで「市民ケーン」をみて、その面白さがよくわかったところでしょうか。 それでもみる人がみたら意味のある作品なのだろうな、と思うからおまけで四つ星。
- med********
4.0点
通好みの作品かも知れない。 モノクロ、モノラルの凝った映像と音響。 1930〜40年代のハリウッド全盛期を背景に、映画人が次々と、実名で登場する。 映画史上最高傑作といわれる『市民ケーン』を、入れ子構造にして、映画史的に展開する。 目まぐるしく交差する時制。 登場人物が多く、相関関係は錯綜する。 ただし、男女関係はあっさりしている。 動きが少なく、室内劇の様相を呈す。 加えてアメリカの政治史が絡む。 とても1度観ただけでは理解できない。 2度観たが、まだまだ。 しかし、3度観たいとは思わない。 だって前述のように、通向きだから疲れるよ〜。 『市民ケーン』の脚本家、通称マンクの人生を切り取り、同作の誕生秘話を描いている。 アル中のマンクは、いいところなしのようだが、反骨精神があり、スポンサー兼人物モデルの新聞王ハーストに媚びない。 彼はフェイクニュースを流して選挙に勝つ、ハーストの手法にうんざりしていた。 やっぱり、あの時代から、トランプ手法が流布していたんだね。 マンクの会話はウイットに富み、大変楽しい。 相反する思想の主も、彼のおしゃべりに聴き入っていた。 『ゴーンガール』の監督だけに、女性の描き方がいい。 彼を取り巻く4人の女性(妻、秘書、家政婦、友人)は、それぞれが自分というものを確立している。 流されないで生きている。 とりわけ印象的なのは、ハーストの愛人=マンクの友人、マリオンだ。ハーストの最期の言葉「バラのつぼみ」のヒロインといわれている。 見かけと異なり、政治的信条もマンクに近く、ハーストの前でも遠慮無しだ。 格差社会や不正選挙は現代にも通じる問題である。 フィンチャーが、亡父の遺稿をもとに本作を世に出した所以である。 アカデミー賞では、10部門にノミネートされたが、美術賞と撮影賞の2部門を受賞した。
- mai********
3.0点
どんなに酒に溺れても どんなに醜態をさらしても 諍いの大小を抱えてても 物語を生み出す才能だけは鋭敏なまま 半分は壊れてるような人であっても ギリギリ許容されてた時代だったのかな… あまり良い印象を持たれてる方ではなかったかもしれないですけど それでもその才能を批判されることはなかったのでしょう。 でもその才能も枯渇を恐れて酒に溺れていたのかもしれない。 夢うつつの世界に没入していれば、物語を描き出す事ができたから。 仕事や立場がいかに重圧のかかるものであったかを考えるに 『ああいう人だから…』 そんな風に思わせる事も一つ重圧からの開放策だったのかもしれません。 モノクロームの映像に 込められたのはハリウッドの歴史の1ページ。 傑物が黎明期を支えていたんだなと感じさせます。 その1ページが積み重なって 今があるという事がわかります。 2021年5月1日イオンシネマ太田で鑑賞
- syo********
3.0点
全編モノクロ&モノラルで、古い感じのオープニングタイトルやキャストのクレジット、フィルムチェンジのマーク、全て1930年代につくったかのような仕上がり。 そこに登場する、これまた昔(今もか)のハリウッドにいそうな面々。 かの有名な『市民ケーン』脚本執筆の舞台裏が描かれていて興味深かったです。 実はまだ『市民ケーン』は観ていないので、近いうちに観なければ! やはり特筆すべきはゲイリー・オールドマンの演技力。マンクのユーモラスで魅力的な面も、意地悪な部分も、悲しい側面も演じ切っていてさすがの存在感でした。
- yut********
1.0点
洋画に多いと思う、登場人物の名前がカタカナでいっぱい出てきて、わからなくなる。同じ人をまた違う呼び名で言ったり、 そうなるとおもしろくない映画になる
- bas********
3.0点
セリフ量が多いものの物語の盛り上がりとしてはいささか不足して 全体的には淡々とした作りに感じる。 ものすごく端的に言えば一種の復讐譚であり 最初は片方の面・イデオロギー的対立からくるものを描写しつつも 最後にもう片方の面「俺はモンキーではない」という 非常に私情的な復讐の面が見えてくるのはすごく腑に落ちる。 腑に落ちるけどそれが描写されるのは本当に最後の最後で さすがに呆気なさが強い。 「市民ケーン」オマージュの台詞やシーンはそれなりにあって サービス精神旺盛だなという感じはあるものの やっぱり「市民ケーン」を観ている事が前提でもあるし アメリカ映画史・アメリカ史にもある程度理解が必要で 結構鑑賞側にリテラシーを求められる作りかなと感じる。 それ自体は良いとも悪いとも言えないけど ちょっと苦しいよね。 個人的にかなり残念なのは あんまりゲイリーオールドマンが魅力的でない事。 ご存知の通り演技派俳優であり曲者俳優であり 「ウィンストンチャーチル」でアカデミー主演男優賞を取った名優が 本作においてはどうにも冴えない。 パワフルさを感じないし少なくとも「市民ケーン」の主要5人に比べて グッとくるものがなかったというのは残念。
- pet********
4.0点
二回鑑賞。 これは結構面白かった めちゃくちゃ面白いわけではないけど私には向いてる映画だった オーソンウェルズxデヴィッドフィンチャーが大好きで30年代ハリウッドにも詳しい 実際に脚本執筆も行っていて長編映画脚本を書いたことがある私が楽しめるのは当然のこと(未発表だけど) 逆に私のような人以外は楽しめるのか... 映画的カタルシスのある映画ではないし中盤に見せ場や盛り上がりがあるわけではない デヴィッドOセルズニックや主人公であるハーマンマンキーウィッツの兄ジョゼフ、市民ケーンの新聞王のモデルであるハースト、薔薇の蕾、オーソンウェルズ、RKO 予備知識がなければ意味がわからないだろう 私でも当時の政治情勢までは知らないのでシンクレア知事候補が誰なのか分からなかった 世界恐慌当時のアメリカ西海岸事情を知ってる人はほとんどいないだろう 私はそこ以外は全て楽しめたけど中盤にかけての盛り上がりはなくて中だるみ気味だ 終盤はオーソンウェルズなどが登場して面白くなってくるがラストはあっさり終わる 第三幕は市民ケーンの公開を巡るメイヤーとの争いに重点を置くべきだったと思う 面白かったけど映画的なカタルシスがない 大傑作ではないけどモノクロの撮影が美しいし市民ケーンが好きな人なら楽しめる映画だ
- とし
4.0点
2021年4月23日 映画 #MANKマンク (2020年)鑑賞 @福岡中洲大洋映画劇場 Netflix入ってないので、Netflixの映画は初めて見ました テレビ用にこのレベルの映画を作るのか!と驚くのはもう古いんでしょうね かつてのMGMが今やNetflixなんだろうな 今や伝記映画と言えば、#ゲイリー・オールドマン ですね
- mat********
3.0点
公開時に上映期間が短すぎて観られなかったがシアタス心斎橋さんが上映してくれたので鑑賞。 評価が低いのは百も承知のうえで、アマンダが出ているから観た。 最も心配していたのは内容よりも劇場の客。 この劇場は感染対策はこれ以上ないというくらい完璧。 しかし座席数が少なく、部屋も狭いのでマナーの悪い客と遭遇したらあまり離れられない。 今回でこの劇場は3回目だけどガサゴソ食事オバサンと2回目の遭遇。前回と同じ人かどうかは分からない。土日に行く自分が悪いんだけど。 序盤から集中して観たけどうるさいので席を離れた。 でもやっぱり騒音で集中できず、次第に一部の人物が分からなくなった。 それがなくてもこの作品が面白いとは感じないかもしれない。 なんといっても監督はD・フィンチャー。 「エイリアン3」でこの監督を知って以来、観る映画はことごとくつまらない。 いつからかフィンチャー作品を避けるようになったがオスカー候補の作品なので例外的に鑑賞。 映画はなかなかのスピードで進むので考えながら観ていると置いて行かれる。 結局、良く分からん部分もあって、そもそもこの作品は何を言いたいのかわからないままだった。 アマンダは久しぶりに美人だった。往年の美貌。 モノクロで皺が目立たなかったのでこれは嬉しかった。
- sou********
4.0点
そもそも「市民ケーン」の良さがわからなくてねぇ…。 時代背景もピント来ないわけで、登場人物については尚の事…。 Mankを観たら…アラ?そう言う話なの…市民ケーン!?…と言った具合。 この映画だって、構成については序盤に示唆されるように、時系列が行ったり来たりで忙しく、面白い事やってんなぁ…だが、ちゃんと付いていけてる?と言われたらノーなワケ。 と言う事で…市民ケーンと共にMankもやり直し。骨の髄まで楽しめるように、理解を深めます。 とりあえず、意味わからない部分が多いけれど、映画の持つ力を感じて仮想星4。多分、めちゃくちゃ面白い。わからないのに夢中で観たもんね。 故に、個人的に宿題。予習も足りないし、復習がかなり必要。お勉強は理解すると楽しくなる!……筈。
- chk********
2.0点
市民ケーンみないと多分意味わからない
- ピナ
5.0点
初恋がゲイリーオールドマンなアラサー。 ゲイリーが出てりゃなんでも見るし、ゲイリーに関しては全部肯定意見しかないマニアだけど、ゲイリーだからカッコイイ作品で数えればトップ7でも過言ではない。一位は断トツ狂った麻薬取締官の名演技がカッコよすぎる映画なので、それは超えられない。
- 重村牧男
3.0点
こちらは予備知識があった方が楽しめそう。 特にオーソン・ウェルズの名作『市民ケーン』は観とくべき。 私は「薔薇の蕾」しか知らない見てない派だったので、 ハマれずでした。 他にもメイヤー氏、セルズニック、フィッツジェラルド、シンクレア、ピックフォード、ゲッベルス等や、 チャールズはじめ、時の有名スターらしい子役や女優が出ていたのは分かったが、 知識があれば、もっともっと楽しめたはず。 という事で、アメリカではまだしも、 日本では、よほどの映画通でないと面白くないかもです。
- arl********
3.0点
興味深いネタで面白かった。進行は時間が前後しているものの漫然とした印象は否めないし、ストーリー自体にインパクトがない。脚本家の話だけに(?)セリフがしゃれていてとても面白かった。 音楽は結構おしゃれだった(時代がいいってこともあるね)。 リリー・コリンズが可愛かった。
- s_w_l_j
4.0点
「市民ケーン」を予習で観てから鑑賞。観てないとちょっと??になったかも。 ゲイリー・オールドマンの演技は魅力的だが、年齢的にちょっと40代のマンクの役にしては老けすぎかなとも思った。 モノクロの映像はカッコよくて、奥行きを感じさせるカメラワークがとても良かった。今の時代にこういう撮影ができるのがゴージャスな感じがする。Netflixは良質な作品を作り続けていてすごい。少し寂しいが映画は映画館でと言う概念が少し変わってきてるとほんとに感じる。
- yab********
4.0点
デビット・フィンチャー久々の監督作品。だが、いつもと趣が違う。 それもそのはず、オリジナル脚本は彼の父親が書いたもの。 内容は当時のハリウッドの映画界の権力渦巻く内幕を描いている。 『市民ケーン』を観ていないのがちょっと痛い。当時の超話題作らしいがずっと見逃している。 本作で描かれているが、マンクとオーソン・ウェルズが、脚本のクレジットを巡って争ったらしい。 『第三の男』を見る限りにおいては、オーソン・ウェルズの男っ気に感動するのだが、案外せこい男だったということか。 一方、マンクはアル中だが真正直な人間として描かれている。世の中で言うお上手じゃない人ってところかな。自分が全部脚本描いてるのに半分横取りされたりね。ゲイリー・オールドマンの役作りがとにかく凄い。 マンクのような、一見忘れ去られそうな才能人を再び発掘させるのが映画の醍醐味で、その志がフインチャー親子により、バトンリレーされたことに意義がある。 作品の内容云々よりも、フィンチャー親子の固い絆に感動を覚えた。
- wxj********
2.0点
このレビューにはネタバレが含まれています。 - nn1********
4.0点
製作は、ここ数年無視できなくなってきたNetflix。 アカデミー賞や年間ベストテンを狙って、ネット配信前後に劇場で小規模公開するのが慣例となり、その本数が年々増えてきている(日本では年末に5本が集中公開)。 たとえ良作であっても、ネットで見ると寝落ちしそうな作品もあり扱いがさらに難しくなっている。 現在未加入なので、劇場鑑賞にて間に合わせようと思っているが、だんだんしんどくなってきた。このまま帝国の牙城に下るのか? それはさておき、本作は、鬼才(脚本は彼の父親)の監督作とあって期待したが、モノクロ132分の情報量が多く、1940年前後の世界情勢やハリウッド事情を知らないとついていけなくなる。 42歳のアル中ひねくれ脚本家、マンクことハーマン・J・マンキーウィッツ(ゲイリー・オールドマン)は、いかにしてオーソン・ウェルズの処女傑作『市民ケーン』(41)の脚本をものしたか。 思想的偏向はなけれども、当時の新聞王を揶揄したために、初公開時の評価は低かった(アカデミー賞では脚本賞のみ)そうで、それが意外だった。 オールドマンは相変わらずエキセントリックに喋りっぱなし。 アマンダ・セイフライド、リリー・コリンズといった美女が周りを賑やかす。 巨匠にオマージュを捧げたような撮影に工夫は感じたけれど、画面が暗すぎて俳優の顔が見辛いのが難。 鬼才と言えど、モノクロは勝手が違ったか。
- oce********
4.0点
「市民ケーン」の脚本を書いたハーマン・J・マンキーウィッツ。 通称マンクはいかにしてその脚本を書きあげたのか。 マンクの視点で描かれているため、当時の制作状況や世相を知らないと付いていけない可能性が大。 それに「市民ケーン」を見てないと、その構成が理解できずに単なる内輪話で終わってしまうだろう。 監督がフィンチャーなので、圧倒的なセリフのやり取りと長回し。 それらをモノクロで描き出す映像美など流石としか言いようがない。 そこにゲイリー・オールドマンをはじめとした役者が当時の時代を再現していく。 兄弟のやり取りや、新聞王ハーストだったり、オーソン・ウェルズの憎悪を含む関係性などが明らかになっていくドラマ。 最後のやり取りが実に皮肉であり、集団には相容れないという点で敵が多かったという印象がそのまま市民ケーンへと結実していったのかも。
- rin********
3.0点
良かったと思います。 ゲイリーオールドマンが好きなので、白黒だけど頑張って見ました。