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Mank/マンク
2020年12月4日公開

Mank/マンク

MANK

1322020年12月4日公開

med********

4.0

映画通には、たまらないかも?

通好みの作品かも知れない。 モノクロ、モノラルの凝った映像と音響。 1930〜40年代のハリウッド全盛期を背景に、映画人が次々と、実名で登場する。 映画史上最高傑作といわれる『市民ケーン』を、入れ子構造にして、映画史的に展開する。 目まぐるしく交差する時制。 登場人物が多く、相関関係は錯綜する。 ただし、男女関係はあっさりしている。 動きが少なく、室内劇の様相を呈す。 加えてアメリカの政治史が絡む。 とても1度観ただけでは理解できない。 2度観たが、まだまだ。 しかし、3度観たいとは思わない。 だって前述のように、通向きだから疲れるよ〜。 『市民ケーン』の脚本家、通称マンクの人生を切り取り、同作の誕生秘話を描いている。 アル中のマンクは、いいところなしのようだが、反骨精神があり、スポンサー兼人物モデルの新聞王ハーストに媚びない。 彼はフェイクニュースを流して選挙に勝つ、ハーストの手法にうんざりしていた。 やっぱり、あの時代から、トランプ手法が流布していたんだね。 マンクの会話はウイットに富み、大変楽しい。 相反する思想の主も、彼のおしゃべりに聴き入っていた。 『ゴーンガール』の監督だけに、女性の描き方がいい。 彼を取り巻く4人の女性(妻、秘書、家政婦、友人)は、それぞれが自分というものを確立している。 流されないで生きている。 とりわけ印象的なのは、ハーストの愛人=マンクの友人、マリオンだ。ハーストの最期の言葉「バラのつぼみ」のヒロインといわれている。 見かけと異なり、政治的信条もマンクに近く、ハーストの前でも遠慮無しだ。 格差社会や不正選挙は現代にも通じる問題である。 フィンチャーが、亡父の遺稿をもとに本作を世に出した所以である。 アカデミー賞では、10部門にノミネートされたが、美術賞と撮影賞の2部門を受賞した。

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