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上映中

あの頃。 (2020)

監督
今泉力哉
  • みたいムービー 169
  • みたログ 471

3.37 / 評価:393件

大人の青春。アイドルは人々の悲しみを救う

  • たまごボーロ さん
  • 2021年2月21日 19時03分
  • 閲覧数 875
  • 役立ち度 16
    • 総合評価
    • ★★★★★

人は心弱っているとき、アイドルにハマりがちだと言う。本作の劔くんも人生行き詰まっている時、あややの笑顔に救われた。あややのMVを見ながら涙を流すシーンは少し貰い泣きしそうになった(かなり映画の序盤なんだけれど)。それを現実逃避と呼ぶのなら呼べばいい。現実は時にあまりにも厳しい。しかしどんなに不本意だろうが、私たちは配られたカードで生きていくしかないのだ。現実と折り合いをつけるために、時にアイドルや二次元に逃避して何が悪いというのか。

とても楽しい毎日ながら「いい歳してこんなことにうつつを抜かしていていいのか」という主人公たちの葛藤。年齢とともにライフステージは変わっていく。仕事や結婚で住む町も変わり、付き合う人間も変化する。でも「あの頃」に執着する必要がないのと同様、「あの頃」を否定する必要もない。いろんな時代を経て、今が一番幸せだと思えるように頑張りたい。ベテラン教師の西田尚美さんが石川梨華の卒コンで号泣する場面は素敵だと思う。現実逃避は、現実を頑張るためにある。現実で頑張っているからこそ、アイドルの虚構に心から声援を送れる。

物語はハロプロにハマった男たちの話で、抽象的な「ドルヲタ」ではなく明快に「あの頃のハロプロのヲタ」が題材のため、とてもリアリティがある。小道具なども含め、いちいち時代考証が正しい。映画で描写されるインターネットはなぜかいつもリアリティがなくダサいことが多いけれど、本作は「あの頃のネット」の雰囲気もうまく再現されていると思った。仲間たちの佇まいも絶妙で、特にライブハウスの雇われ店長役の芹澤興人さん、地方のライブハウスや貸しスタジオにああいう感じの人本当によくいるのでおかしかった。

仲間のコズミンはセコくて性格が悪い。はっきり言って嫌な奴だ。しかしこういう「いい人でも優しい人でもないけれど一緒に遊ぶ分にはおもろい奴」というのも絶妙なリアリティだ。お世辞にも熱い友情などとは言えず、楽しい思い出もあればイヤな面も沢山見てきた、ゆるやかな繋がり。何というか、落語の裏長屋の男たちの話のようだと思った。

あやや役はハロプロの山﨑夢羽さん、メイクで寄せているのだろうが遠目だと本当に似ている。怒髪天の益子さんのカメオ出演もニヤッとさせられた。

詳細評価

物語
配役
演出
映像
音楽

イメージワード

  • 笑える
  • 切ない
  • コミカル
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