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踊らん哉

踊らん哉

SHALL WE DANCE?

108

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4.0

踊っていればこの世は天国。

フレッド・アステアとジンジャー・ロジャースのダンス映画。 今回、アステアが演じるのは、アメリカ人でありながらロシア人という触れ込みで活躍するクラシック・バレエの大家ペトロフことピーター。 一方、ジンジャーが演ずるのははパリの売れっ子ダンサー、リンダ。 ピーターがリンダに一目惚れしてニューヨークまで追いかけてくるのですが、とんだゴシップが元で二人の関係は…という、相変わらずのくっついたり離れたりのラブ・コメディ。 客船の機関室で見せるアステアのダンスと、ラストのショー・シーンはなかなかの見物。 これは、クラシック・バレエとジャズの融合を目指したと思われるものです。 そして、一番の眼目は、ガーシュインの音楽でしょうか。 ガーシュインと言えばクラシックの中にジャズの精神を生かそうとした音楽家ですから、この作品には、まさにぴったりの人でしょうか。 興味深いのは、アメリカ人の芸術に対する感性を垣間見られること。 今回、アステアが演じる主人公は、クラシック・バレエで成功を収めているにもかかわらず、ジャズ・ダンスにあこがれ、これこそ故郷アメリカのリズムだと信じて疑わない人物。 したがって、人気者とはいえ、とても芸術的とは思われないショー・ダンサーに一目惚れしてしまいます。 この屈折した心情がいかにもアメリカ的ではないですか。 ヨーロッパの伝統的な芸術に対する憧れと反発。 それが、映画を発展させ、ショー・ビジネスで世界制覇してしまうようなアメリカを生んだのかもしれませんね。 ストーリーもダンスシーンも、『艦隊を追って』や『有頂天時代』のほうが面白かったと思います。 でも、アメリカ人の考え方を知る上では興味深い一本だと思います。

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