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踊らん哉

踊らん哉

SHALL WE DANCE?

108

みゅう

5.0

誰も奪えぬこの想い

映画人生50年、幸せだなあ…、という気持ちに満たされるとき、いつもそこにはアステア・ロジャースの映画がありました。 またまたアステア・ロジャースで申し訳ありません。 でも私は何度でも言いたい。 あのように素晴らしい音楽と踊りが散りばめられた作品があったということは、今から思えば夢のまた夢であります。映画界にまぐれが奇跡をおんぶしてやってきたようなものです。 この「踊らん哉」の音楽はジョージ・ガーシュウィンの手になるものです。ガーシュウィンという名前の響きだけでも、ファンタスティックで、どこか素敵な世界に連れていってくれそうな期待感にいっぱいになってしまいます。 歌は終わったとしてもメロディは残る…と唄い始める「誰も奪えぬこの想い」。 何なんでしょう、この曲づくり。 語るでもなく、唄うでもなく囁きはじめるアステアの唄の上手さ、ガーシュウィンの曲づくりの巧みさ。 曲のはじまり処をさがして漂いさまようような叙唱部、片想いのアステアの気持ちが如実に伝わってくる編曲の自在さ。 本物の才能って、たまりません。 トーキー映画が開始されて間もない1930年代にミュージカルの最高に芸術的な高みが完成されてしまいました。 この真に芸術的な才能の輝きの前には「ウェストサイド・ストーリー」も「サウンド・オブ・ミュージック」も遠く及びません。 帽子のかぶり方、お茶を飲む仕草、きらめくような君の微笑み方、調子外れな歌い方、夢に浮かぶその面影、それは決して消えていかない…「誰も奪えぬこの想い」。 どうにかなりませんか、この素晴らしさ。 初恋を思い出すと、まさにその歌詞の通り、好きな人なら持ってるハンケチの一枚まで、心に残り悩まされたものです。 ガーシュウィンに乾杯!。バーリン、ポーター、カーンにも乾杯!。アステア・ロジャースに乾杯!。 この映画「ホッチャ・チャンカ…」などとアホで馬鹿な演出も多いものの、セントラル・パークでのローラースケートのタップ、船上のレストランでのダンスシーンの見事さといい、見所満載です。 それにしてもジンジャー・ロジャースとい女優さん、この頃が美しいピークかな?。 その魅力と美しさと才能がアステアに比べきちんと後世に評価されていないのは何としたことか…。私はアメリカ映画界が生んだ女優さんBEST5には絶対入れてあげたい。

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