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大綱引の恋
2021年5月7日公開

大綱引の恋

1082021年5月7日公開

ネコと映画と人生

4.0

地味ながらも 手堅い良作でした♪

本作のポスター等からは《昭和のテイスト》が感じられて、まんま『地方のお祭りの告知ポスター』の様でもあったので 多少の不安はあったのですが、作品の内容は決して古臭くはありませんでした。 この週末に公開された他作品を引き合いに出して例えるならば、『ラブ セカンド サイト』は軽めのフレンチで 『ジェントルメン』はWのハンバーガー、そして本作『大綱引の恋』は肉じゃがや鯖の味噌煮みたいな感じかと。 肉じゃがや鯖の味噌煮を食べる時に「古臭い料理だなぁ」と思いながら食べる日本人は居ないと思います。 むしろソレらの料理を食べたい時って「ホッとしたい」時だったり「安心出来る味」を求めている時でしょう? 本作はまさに《そんな感じ》がする作品で、観終わった時には 心が温かく そして爽やかな気持ちになる《心が満腹になる》そんな作品でした。 【ストーリー評価】★★★★☆ 前置きの例えを此処でも引用するならば「肉じゃがを食べた事があるならば 肉じゃがを食べる前から味は分かっている」のと同じ様に、本作の様なテイストの『物語(映画やドラマ)』を観た事があるならば、観ている最中に先の展開はある程度読めてしまうと思います。 …で、これが不味い肉じゃがなら そこでお客さんの箸は止まってしまいますが、本作は『美味しい肉じゃが』なので お客さんの箸は止まりません。 (勿論「元々こういうテイストが苦手」な方は除きますが、そもそも そういう方は最初から観に行かないでしょうし問題ないかと) ストーリー展開自体は割とよく見かける感じだったのですが、物語の主軸に『川内大綱引』というお祭りが据えられていたお陰で、その大綱引にかける地元の人の情熱や そこに関わる家族の絆などが上手に描かれており、最後まで飽きる事なく鑑賞する事が出来ました♪ 【演技・配役評価】★★★★★ 主演の三浦貴大さんは《男らしい》見た目で 勇ましい祭りを主題にした本作にピッタリの配役だと思いました。まあ役柄的には『奥手の35歳・独身』という設定ではありましたが(笑 ヒロインの知英さんも『韓国人の研修医』という役柄であったので 他作品で感じる様な違和感は無く、むしろ知英さんの《良さだけ》が上手く全面に出ていたと思います。 綺麗なんだけど可愛くて 表情に茶目っ気があるチャーミングな人ですよね。個人的には「彼女と同じ様な雰囲気を持った日本人の女優さんは居ない」と思っています。 (ちなみに知英さんは2021年3月で活動の主軸を『韓国(及びアジア)』に移す事を見据え、日本の所属事務所から韓国の事務所に移籍され 日本での活動は一旦終了となった様なので、大きなスクリーンで彼女の演技を観れるのは 次はいつになるか分かりませんよ) 企画•原案も務めた西田聖志郎さん 升毅さん 石野真子さん 比嘉愛未さん、と脇を固める俳優陣の皆様も素晴らしい演技でした。 それから友情出演の恵俊彰さん、ホント『ホンジャマカの2人の笑顔』って裏表がありそうな胡散臭い笑顔で ある意味好きです(笑 【演出評価】★★★★★ 演出自体には目新しい印象は受けませんでしたが、『川内大綱引』の成り立ち・内容・地元での祭りの位置付け、みたいなモノを上手にストーリー展開に絡めて見せてくれました。 正直 物語自体はオーソドックスだったのですが、演出が手堅く上手く 綱引きで最後にどちら側が勝つのか分からないのと相まって、気付いたら夢中で観ていました。 【映像評価】★★★★☆ 映像レベルは普通かも知れませんが とにかく景色が綺麗でした。あと祭りのシーンは基本《やや引いた遠景》か《一番太鼓の人の近景》主体でしたが、男のぶつかり合いの迫力を求める様な内容の作品ではないので、これで良いかと。あとはなんと言っても《知英さんが綺麗だったし 可愛かったし》惚れたらどうすんだ!(笑 【音楽評価】★★★☆☆ 鑑賞中はストーリーに引き込まれていて 劇中の音楽に関しては記憶がありません(スミマセン…) でもエンディングのAIさんの曲は良かったですよ♫ 【総括評価】★★★★☆ 最初にも書いた様に本作は《定番の和食》の様な作品なので、斬新さや刺激は無いし地味な作品ですが、その分 多くの方のお口には合うのではないでしょうか。 最後に、他の方のレビューにもありましたが 本作を監督された《佐々部清 監督》は昨年3月にお亡くなりになられているので本作が遺作となります。素晴らしい作品・素敵な物語をありがとうございました! 遅ればせながら御冥福をお祈り致します。

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