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浜の朝日の嘘つきどもと (2021)

監督
タナダユキ
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4.09 / 評価:243件

大団円に潜むご都合主義を容認できるか?

本作の見どころは、「なぜ、主人公は、場末の映画館を守ろうとしたのか」なんだけれど、その理由がわかるのは後半の手前で、たどり着くまでが正直長い。不動産屋での丁丁発止は、半分本当で半分(血のつながりとか)は嘘。ここに「嘘つきどもと」という部分が重なってくるのだが、ただの映画バカ、という見方がされているから、やや没入感をスポイルする。
彼女の生い立ちを回想するシークエンスで出てくる、学校教師で映画好きの大久保佳代子。結局彼女の遺言を愚直に行動に移した、ということがわかるまでに時間をかけ過ぎていたと思うのだ。
だから、どうしても、浜野あさひ=茂木莉子 の一部素っ頓狂な行動だったり、学校になじめなかった高校時代の描写もそれほどはっきりさせないものだから、彼女に少し感情移入しづらかったことは間違いない。
映画館を取り巻く人たちの想い、再開発したい会社の社長の思い。すべてが交錯したときに、残せないという結末に愕然とする。と、思いきや……
「物語は、ハッピーエンドがいいよ」とは、某アニメーション映画のヒロインが呟く名セリフだが、それが具現化する瞬間の高揚感はベタであっても、「ああ、よかった」になるところはうまくまとめたと思う。よくよく考えたら、彼女が本名で名乗っていたら、この大団円はなかったんではないか、とさえ思う。娘の名前を会社名に命名し、悪名をとどろかせてしまった父親の絶望的なセンスのなさが、彼女に名前まで嘘をつかせることになったことの罪滅ぼし、としての寄付だったとしても、急に地域に媚を売った行為が正当化できるものだろうか……
それも含めて、家族の再生が語られるまでには至らなかったところは少しもったいなく思った。尚、つまらないツッコミだが、解体の足場を組む際に、真っ正面から組むことはありえない。また、建物と足場を固着させるための、いわゆる壁つなぎもしていないこともあって、あの段階で、「あ、これ、解体しないで済むな」=どうやって金が工面されたんだろう、とわかってしまったのは内緒である。

詳細評価

物語
配役
演出
映像
音楽

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