ここから本文です

天空の結婚式 (2018)

PUOI BACIARE LO SPOSO/MY BIG GAY ITALIAN WEDDING

監督
アレッサンドロ・ジェノヴェージ
  • みたいムービー 37
  • みたログ 45

3.54 / 評価:35件

愛があれば、断崖絶壁も乗り越えられる

  • min***** さん
  • 2021年4月18日 21時36分
  • 閲覧数 177
  • 役立ち度 1
    • 総合評価
    • ★★★★★

役者の男性・アントニオが、同じく役者で同性の恋人・パオロにプロポーズし、結婚式を挙げることになったのをきっかけに巻き起こる騒動を描くコメディードラマ。

つい1ヶ月ほど前の「ワン・モア・ライフ!」に続けてのイタリアンコメディー(本当はこの作品が先だが、KBCシネマは遅れ公開だったので)。あちらは全く笑えず拍子抜けだったが、今回はどうか。

ドイツ・ベルリンに暮らすアントニオはある日、役者仲間で恋人のパオロにプロポーズする。結婚を決意したふたりだったが、問題は互いの親に認めてもらえるかどうか。
そこでふたりは早速、同居人のベネデッタやドナートとともに、アントニオの故郷であるイタリアのチヴィタ・ディ・パニョレージョへ。アントニオの母親・アンナは息子の決断を受け入れるものの、父親のロベルトは猛反対。さらにパオロも彼の母親・ヴィンチェンツァと長らく疎遠のようで・・・。

物語の主な舞台となるチヴィタ・ディ・パニョレージョは、イタリア・ラツィオ州にある断崖絶壁の上の分離集落。イタリアで最も美しい村と言われており、毎年多くの観光客が訪れている。
一方、長年の歴史の中で台地が侵食し、今でも毎日周りの崖が崩れていることから、「死にゆく村」という異名も持つ。劇中でも「建物の崩壊が・・・」なんてセリフがあったほど。

そんな断崖絶壁の村で結婚式を挙げるふたりの状況も、まさに断崖絶壁そのもの。

まず、日本でも度々問題視されているLGBTQ+(この作品ではゲイ)に対する人々の意識。
日本では国の法律としてのパートナーシップ制度がなく、自治体単位で制度を導入しようとしても、東京都足立区での区議員の失言に代表されるような前時代的意識が妨げてしまっている。

この作品においてふたりの想いを妨げるのは、アントニオの父親で村長のロベルト。難民は受け入れるくせに、自分の息子を含めたLGBTQ+の人々は受け入れない。当事者でなくとも、この差別意識には怒るしかないだろう。劇中でもありとあらゆる策を使って、ふたりの結婚式を止めようとしており、なんとも悲しい。
もうひとり、ヴィンチェンツァも自分の息子がゲイであることを受け入れられず、3年間疎遠だったという。こちらはアントニオが滑り込ませた招待状を受け取り、その後すんなりと出席に至ったことから、少しばかり意識が変わったのだろう。

それらに加えて、アントニオの元カノ・カミッラの存在もまた、ふたりの想いを妨げる障壁となって現れる。終盤にはアントニオと無理やりキスして、パオロを困惑させるし。
カミッラのウザいほどの未練たらたらっぷりには、アントニオでなくともうんざりすること間違いなし。こんなに嫌悪感を感じるキャラ、映画では久々に見たよ。

でも、このカミッラの発言が契機となって、アントニオとパオロの真の愛が試されることに。色々な苦労を乗り切って迎えた結婚式の場なのに、今まで以上に重い空気が漂う。
だが、その空気を一気に変えたのがラストのミュージカルシーン。
確かに色々とぶっ飛んだ急展開だし、根本的な問題の解決にはなってないけど、楽しそうに踊る人々の幸せそうな顔を見ていると、そんな些細なことなんてどうでも良くなってくる。
愛があれば、どんな障壁も乗り越えられることを強く示した微笑ましいシーンだった。

LGBTQ+におけるパートナーシップの問題を物語の背景にしつつも、割と見やすい雰囲気の作風となっており、テンポの良さもあってそれなりに楽しいコメディーだった。
大笑いするほどではないものの、羊の鳴き声やドナードの女装など小刻みなコメディー要素が入っており、思わずニヤニヤさせられます。

ちなみに、TVで人気のウエディング・プランナーという役どころで登場したエンツォ・ミッチョは、実際にイタリアで大人気のウエディング・プランナー。彼がプロデュースする結婚式は、その準備過程を見ているだけでも楽しそう。
チヴィタ・ディ・パニョレージョの美しさも含めて、思わず眼福になれる映画です。

詳細評価

物語
配役
演出
映像
音楽

イメージワード

  • 未登録
このレビューは役に立ちましたか?
利用規約に違反している投稿を見つけたら、次のボタンから報告できます。 違反報告
本文はここま>
でです このページの先頭へ