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上映中

ホムンクルス (2021)

監督
清水崇
  • みたいムービー 169
  • みたログ 329

2.84 / 評価:268件

映画は何一つ表現出来てないので原作を是非

  • dadadasteady さん
  • 2021年9月19日 3時42分
  • 役立ち度 2
    • 総合評価
    • ★★★★★

原作漫画は人生の中でもベスト5に入ります。
しかし、この映画は本当に酷い。
同じタイトルを付けられることすら嫌悪感が溢れる程に。

ただ最初に言うと、原作も全く万人受けする内容ではないです。
哲学的で、且つグロい描写や生々しい性的描写もあるし、
更に後半に進むにつれて本当に重苦しく難解になっていきます。
また、正直原作ファンとしても原作の後半はややテンポの悪さを
感じる部分はあります。

原作通りなら満足だし、原作の後半をオリジナル要素で別な展開に
してくれるならそれはそれで収穫だろう…と思っていたら
結論、どちらも叶わず。
原作ファンは大きく不満、単体の映画として初見の人にとっては
意味不明な映画としか思わない中途半端な出来になっています。

★ここから具体的な内容(映画+原作のネタバレあり)
…というか不満を殴り書きします。

■名越の設定
主人公である名越の設定が大きく変更。
今の名越と根本が違う過去の設定無し。
というか、事故で記憶失ってる設定にしたのはいいけど
何でカーホームレスになってるのか説明無し。
何かもう…別の人の別の話だこれ。

■ホムンクルスの描写
内容が不満でもせめて原作のホムンクルス達の映像が観れるなら
それだけでもいいや!と思っていたら、最初に見る歌舞伎町の
ホムンクルスのCGのチープさ・・・
ただ、1775の砂や伊藤の水はある程度の質だったので、
予算の配分の問題?しかし…この作品の肝なんで、そこは
頑張って欲しかった。

また、監督が映像化するうえで全く原作を理解していないと
感じたのが1775。
相手の姿形以外の部分まで映像化したら絶対にダメでしょう。
(車の外まで砂の世界になる描写)
それに砂が実は記号だと気付いてから、文字を女側の声で
読ませる演出も安っぽくて最悪。
何より…あまり音つけたらダメ。「見る」が重要なのに。

しかも・・・ホムンクルス全然出てこない。
原作では特に前半にかけて多種多様なホムンクルスが見れるのに
せっかく映像化した本作では歌舞伎町以降は殆ど出てこない。

■1775関連
脚の傷や本人の隠していることをホムンクルスを通じて
突き止めるからこそトレパネーションで得た能力の意味や
根拠になるのに、先に1775のスマホで知っちゃったら台無し。

しかも母親のマニュアル化教育や管理の描写が無いから
1775がどういう状態からどういう状態に名越によって
変えられたのか、原作知らない人には到底理解出来ない。

■ロボットの話
一応ここは原作通りだけど、もう少し尺を割いて丁寧に
描けなかったものか…凄く駆け足だったので残念。
名越が一番最初に関わるホムンクルスなのに。

■伊藤関連
まずキャラ設定が違う。
原作の伊藤は礼儀正しさ・無邪気さ・ミステリアスさを兼ね備えた
不気味な存在だったけど、映画の伊藤は非常に安っぽい。

次にエピソード。
原作ではグッピーを伊藤が溺愛していて、そこに美しさを見出し
自分に対しても「美」を求めるようになります。
しかし父親にグッピーを殺され、トラウマになってしまいます。
それ以降は自分の欲求を父親には全て隠し良い息子を演じます。
(父親の前でだけアクセサリーを外し黒髪のカツラを被る)
しかし最終的に伊藤の美への追及・女装癖があることまで
名越に暴かれ、最後には解放させられ伊藤自身救われます。

映画では、愛情を受けず父親は伊藤より金魚を可愛がっていた…と。
あ?
何でここ変えたのか。
原作でも名越本人の次に重要なエピソードなのに。

■後半のオリジナル展開
これはもう意味不明。
ちひろ側がトレパネーションする経緯や理由も判らないし、
あれ ななこも車道に飛び出してるから ちひろ悪くなくない?
しかも…いくらなんでも喧嘩したからって走行中の車から
ドア開けて飛び出ようとするアクション派メンヘラなんて
いねぇわ・・・

更に言うと事故で記憶がなくなったとして、何で死んだななこが
ちひろに見えるのか説明が全くつかない。

■結末
名越の話で完結を迎えないことにも納得いかないけど、
何であの流れで伊藤がトレパンするの?
しかも…何で名越とちひろ良い仲になってるの…?

■全体的に言えること
原作のシーン・台詞から抜き出してそのまま使う部分・
削った部分・オリジナルで付け足した部分…それぞれが
とっ散らかり過ぎてるから1本の映画として不自然な流れや
描写が多く目立ち過ぎる。
⇒数えきれないけど例えば1つ、名越がセルフトレパネーションを
行うくだり。原作では「穴が治癒してきて見えなくなった」や
「穴の大きさを広げたら見える範囲が広まる仮説」等についての
描写や会話があるけども映画にはそれが無い。
だから『何で穴開いたままやのにまた開けんの!?』と
映画単体で観てる人は疑問に感じる。

こんな具合で。

そもそも監督と脚本家が原作の何が魅力で一部でカルト的な
人気を得ているのか理解出来ていない。
それに尽きる。

詳細評価

物語
配役
演出
映像
音楽

イメージワード

  • 不思議
  • 不気味
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