まっとさん
4.0点
宇宙飛行士を目指す物語として、かつて「ライトスタッフ」というアメリカ映画がありました。米ソ冷戦のさなか、ソ連のガガーリンに先を越されたアメリカは、自国の名誉をかけて初めての有人宇宙飛行計画・マーキュリー計画を進めます。 宇宙飛行士に選ばれたのは7人の男たち。彼らの友情や苦悩と、一方で1947年に人類で初めて音速の壁を破った孤高の戦闘機パイロット、チャック・イェーガーの生き方が対照的に描かれていました。米ソの宇宙進出競争と男たちの孤独な戦いがスリリングでした。 そんな時代から40年、女性も宇宙飛行士になることが当たり前の時代となりました。しかし男たちとは違う、女性ならではの苦悩と喜びがそこにはあります。 幼い子どもを抱える女性にとっては子育てをどうするかはもっとも関心事でしょうし、体力の問題や生理など女性特有の問題もあります。 今作では、離婚して幼いひとり娘ステラ(スター=星ですね)を抱える宇宙飛行士サラをエヴァ・グリーンが体力勝負で挑んでいます。そして母子の絆のヒューマンドラマを描いています。 サラにとっては宇宙飛行士になることは夢ではありましたが、彼女のモチベーションは国のためでも、自分の名誉のためでもありません。自分と娘の夢を実現するためです。物語のどこかで「完璧な宇宙飛行士なんていない。完璧な親がいないのと同じように」と言います。 そうなんですね。宇宙飛行士であれ、どんな職業であっても、欠点があっても、自分の夢に向かってピュアなまま努力し邁進すること。それが女性の強みですね。監督も女性で、女性ならではの視点かもしれません。 物語はやや起伏に欠けますが、エヴァ・グリーンはかっこいいですね。夢に向かって純粋に挑み続ける姿を好演していました。
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