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キル・チーム
2021年1月22日公開

キル・チーム

THE KILL TEAM

PG12882021年1月22日公開

つとみ

5.0

ネタバレ人間らしさと共存する殺戮マシン

作品タイトルとそのパッケージが醸し出すB級感。いうても結局ドンパチするだけちゃうの?と何度となく観ることを躊躇わせた作品。 しかし襲い来る不安とは逆に終始緊張感漂う社会派な作品で最高だった。 子どもに笑顔で手を振れ、菓子を配れ、ターミネーターのつもりか?サングラスを外せと言っていた最初の軍曹は爆殺されてしまった。 新しく来た軍曹は明らかに過激なタイプ。 しかしその過激さを擁護するようにイラクでのエピソードを語る男。 優しい方法で任務を遂行しようとする軍曹が死ぬことで後のディークス軍曹の行いを弁護しているようなところがイイ。 ディークス軍曹の行いはもちろん悪いよ。しかし悪いからといって一方的に悪魔のように描写するのは何の意味もない。 ディークス軍曹にも家族がいて愛していて、隊員の肉をピンクのエプロン姿で焼き、彼の人間らしさを描く。 更に彼らが言う殺人の正当性も描くことで結果的に、そもそもアフガニスタンに行くべきではなかったという結論に至る。 のせられた隊員たちは過激なディークス軍曹に心酔し、ただの殺人に対してハシャギまくる。 ラストシークエンスでは透明なゴーグルをかける主人公とは対象的に主人公以外は全員サングラス姿の、つまりターミネーターだ。 ターミネーターは殺戮マシン。心なく人を殺すことだけが目的の機械。 敵よりも恐ろしい味方に囲まれた主人公がとれる選択など何か他にあっただろうか? 自分は正しいと信じたまま罰せられる者はまだ幸せだ。罪の意識に苛まれ永遠に苦しむことになるだろう主人公は悲劇としか言いようがない。 一体何のためにアフガンへ行ったのだろうか。 ディークス軍曹を演じた、ステラン・スカルスガルドの息子のアレキサンダー・スカルスガルドは最高だったね。 微動だにせず話すだけで圧がスゴかった。もうなんかいるだけで怖い感じ。 ディークス軍曹に説得力がないと作品が全く成り立たなくなるからね。

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