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ミアとホワイトライオン 奇跡の1300日 (2018)

MIA ET LE LION BLANC/MIA AND THE WHITE LION

監督
ジル・ドゥ・メストル
  • みたいムービー 33
  • みたログ 38

3.89 / 評価:28件

人間のエゴのため、犠牲になる動物

  • min***** さん
  • 2021年3月21日 21時02分
  • 閲覧数 270
  • 役立ち度 1
    • 総合評価
    • ★★★★★

孤独な少女・ミアとホワイトライオンの交流を通じて、南アフリカで問題となっているスポーツ狩猟に警鐘を鳴らすヒューマンドラマ。

福岡行き再スタート1本目、どの作品を見ようか迷っていたら、ライオンとじゃれ合う少女の写真が目に留まり、あらすじもあまり見ないまま劇場へ。ああ、我ながら反省出来てない・・・。

ロンドンに住んでいた11歳のミアは、家族がライオンを育てるファームの経営をするため、ファームがある南アフリカへ引っ越した。新天地では友だちが出来ず、父親のジョンをはじめとする家族に不満をこぼす日々。
クリスマスの日、ファームに珍しいホワイトライオンが誕生した。少し前、母親からホワイトライオンの伝説を聞かされていたミアは、弟のミックからチャーリーと名付けられたそのライオンに心を開き、交流していく。

劇中では3年以上の月日が経過していたが、実際の撮影も3年以上かかっていたそうで、こういうエピソードを聞くだけでも制作側の意思が伝わってくる。
その象徴が主人公のミア。最初のうちはロンドンが恋しかったインドア少女が、終盤には真っ黒に日焼けして少し大人になった面を見せているところが、3年以上の月日、否、それ以上の成長を感じさせる。

「3年経つと人を襲う」というセリフが度々あったが、3年経たずとも人に襲いかかるほど成長したチャーリー。だが、ミアはそれでも触れあうことをやめない。そして、チャーリーもミアと意志疎通している様子。
そんなこんなでチャーリー絡みのトラブルは続き、遂にチャーリーは売られてしまう。心配になったミアが目撃したのは、娯楽のためにライオンが売られ、そして射殺されるという恐ろしい現実。

終盤のテロップで説明があったが、本国フランスでの公開時点で野生のライオンは2万頭まで減少し、このままでは20年後に絶滅してしまうという。また、映画で描かれた“射殺されるためのライオン”を育てるファームも本当にあるそうだ。
鑑賞後、実際のスポーツ狩猟家たちが「僕たちが南アフリカの経済が活性化しているんだ」と語っていた記事を目にしたが、まさにその通り。人間のエゴ丸出しの行動が南アフリカの人々の生活を支えていると知ると、なんとも切ない気持ちになる。
この作品はこうしたスポーツ狩猟、特に「缶詰狩り(囲いのなかにいるライオンなどの動物を射殺する、トロフィーハンティングの一種)」の問題をテーマにしており、自然を守るための活動にご協力を、といった感じの呼び掛けで映画は幕を閉じる。

チャーリーを守るため、ミアが無茶を承知でとった行動は、なんと自然保護区にチャーリーを連れ出すこと。そこから生きるか死ぬか、はたまた捕まるかのサバイバル展開へと突入する。
前半でちょっぴり危ないけどほのぼのしたやり取りを見たからこそ、チャーリーを守りたいミアをこちらも応援したくなる。
車はどうにか確保したものの、食料は尽き、持ってきた地図はまさかの1997年版。しかも、自然保護区と思っていた場所の近くには、なんとも立派なショッピングモールが建っている。嗚呼、これもまた、人間のエゴが故・・・。

ここまで人間のエゴを見せられると、終盤、チャーリーがダークたちに襲いかかるシーンが何だか爽快に思えてしまう。またそれは、射殺される側である野生動物の叫びのようにも感じ取った。
終始ミアの行動に反対していたジョンだったが、ミアを探す道中、ミックからファームの真実を聞かされ、ついに自らチャーリーを守るための囮役になる。ミア以上に命がけの行動をとった彼の勇姿からは、今までの反省とライオンをはじめとする野生動物を守りたい思いが感じられる。

チャーリーをはじめとするライオンのほか、様々な野生動物が登場し、更にはアフリカの雄大な自然も堪能できるこの作品だが、なんとCG一切なしだという。
そうなるとミアとチャーリーの交流はもちろん、他のシーンも含めて動物任せの撮影で、現場は結構大変だっただろうな・・・と、鑑賞中ずっと思っていた。しかし、その苦労が実を結び、リアリティー溢れる映像に仕上がったのは確かだ。
監督がドキュメンタリー出身ということもあり、フィクションでありながら本当にこんなことがあったかのような展開で、訴えたいテーマの説得力が増す。

勢いで鑑賞を決めたものの、ずっと心に残りそうな傑作。ファミリー層にも薦められそうです。

詳細評価

物語
配役
演出
映像
音楽

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