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キンキーブーツ (2018)

KINKY BOOTS: THE MUSICAL

監督
ブレット・サリヴァン
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4.52 / 評価:211件

解説

実話に基づくコメディー映画をミュージカル化した、本場のブロードウェイミュージカルを映像化。倒産寸前の靴工場を相続した青年が、ドラァグクイーンと共に工場再建に奮闘する。『トーチソング・トリロジー』などに出演するハーヴェイ・ファイアスタインが脚本、歌手のシンディ・ローパーが音楽・作詞、ジェリー・ミッチェルが演出・振付を担当。マット・ヘンリー、キリアン・ドネリー、ナタリー・マックイーンらが出演する。同ミュージカルは日本でも2016年と2019年に小池徹平と三浦春馬主演で上演された。

シネマトゥデイ (外部リンク)

あらすじ

イギリスの田舎町で靴工場を営む父親が急死したことで、工場を引き継ぐことになったチャーリー(キリアン・ドネリー)は、経営状況が破産寸前であることを知る。従業員の解雇を避けようと頭を悩ませる彼は、ふとしたことからドラァグクイーンのローラ(マット・ヘンリー)とその仲間たちに出会う。彼らの悩みにヒントを得たチャーリーは、ドラァグクイーンのためのセクシーなブーツ「キンキーブーツ」を作ることを思い立つ。

シネマトゥデイ (外部リンク)

映画レポート

(C)BroadwayHD/松竹
(C)BroadwayHD/松竹

「キンキーブーツ」溢れる高揚感! “映画のミュージカル化”のお手本のような痛快作を映画館で満喫

 舞台は「生」であることこそが最大の魅力ということに間違いはないが、いい舞台は収録した映画でだって十分に楽しめる。それを見事に証明する作品が、”松竹ブロードウェイシネマ”として上映されるミュージカル「キンキー・ブーツ」だ。原作は、2005年の同名映画。よくできているが少々地味だった実話ベースのヒューマン・コメディは、2013年にブロードウェイでミュージカルとして生まれ変わり、爆発的な人気を呼んだ(日本でも三浦春馬さん、小池徹平の主演で2度上演され大ヒット)。映画からミュージカル化された作品は星の数ほどあるが、「キンキー・ブーツ」はその中でも最高傑作のひとつだと断言できる。この映画版は2018年にロンドン・ウエストエンドで上演された舞台を数日かけ、さまざまなアングルから収録・編集した痛快作だ。

 イギリスの片田舎にある老舗靴工場の息子チャーリーが工場を危機から救うため、ドラァグクイーンのためのブーツ製造を思いつく。ドラァグクイーンのローラに協力を仰いだ彼は、果たして起死回生を遂げられるのか。ショーアップされた本作は、“映画のミュージカル化”の、まさにお手本のような出来映え。音楽と歌とダンスのパワーが加わることで、高揚感も共鳴も感動も激増し、エンターテインメントの醍醐味が溢れんばかりだ。なぜこんな完成度を持ち得たのか。それは、才能豊かな作り手たち(脚本は「トーチソング・トリロジー」のハーベイ・ファイアスタイン、演出・振付はミュージカル版「フル・モンティ」などを手がけたジェリー・ミッチェル、そして初めてミュージカルの作詞・作曲に挑んだシンディ・ローパー!)が「この物語をミュージカルとして語るには何が必要か」を完璧に理解していたからだ。

 ローラはパフォーマーだから、そのド派手なショー場面が素晴らしいことは想像できるだろう。しかし、この作品の本質はまったく違う人生を歩んできたチャーリーとローラがお互いを知り、受け入れる感情面のドラマを繊細に伝えているところにある。その白眉が、ふたりが「父さんの望んだ自慢の息子じゃない」という共通の痛みを理解し合い、分かち合う「Not My Father's Son」というナンバー。でもこれだけじゃない、映画の腕相撲シーンがあんなにキラキラしたボクシングシーンに置き換わるなんて控えめに言ってもご機嫌だし、チャーリーが落ち込むシーンさえパワフル。工場のベルトコンベアーに乗ってセクシーブーツが流れてくるシーンの「Say Year!」、クライマックスのファッションショーなどなど、もう、すべてが名場面! 演者のレベルも最高! 「ヒューヒュー」と歓声や口笛ではやしたてながら楽しむ、客席のノリノリな空気が味わえるのもいい。

 コロナ禍のせいで気分が落ち込む今だからこそ、この作品のポジティブパワーに触れ、湧きあがるエネルギーを、喜びを感じてほしい。舞台やミュージカルを敬遠している映画ファンも、これを見ればきっとミュージカルの魅力に抗えないはずだ。(若林ゆり)

映画.com(外部リンク)

2021年3月4日 更新

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