レビュー一覧に戻る
白頭山大噴火
2021年8月27日公開

白頭山大噴火

ASHFALL

1282021年8月27日公開

bakeneko

5.0

ネタバレ北朝鮮の核ミサイル保持は公然の秘密なんだ

活動を始めた白頭山の大噴火を防ぐために、北朝鮮から原爆を奪って山腹の地下で爆発させる―という奇想天外なミッションを遂行する韓国工兵隊員&北朝鮮諜報員の奮闘を、ド迫力の噴火&地震CG&複雑な朝鮮半島の国際的状況の現在で見せてゆく―“天災破壊&潜入ミッション活劇”の娯楽作であります。 中国と北朝鮮の国境付近に位置する“朝鮮民族の富士山”こと白頭山が1100年ぶりに活火山として噴火を始める。白頭山活動が専門のアメリカ帰りの大学教授カン(マ・ドンソク)は、最終的な大噴火の被害を抑えるために、山腹のマグマ溜りに横から穴をあけて圧力を逃がす方法を考案するが、それには強大な爆薬が必要で、北朝鮮が保有している核ミサイルの核弾頭を簒奪&爆発させる作戦が決行される。 嘗ての北朝鮮人民武力部の工作員で二重スパイのリ・ジュンピョン(イ・ビョンホン)を道案内の為に刑務所から回収して、核ミサイル貯蔵基地まで到達し、原爆を取り出して、白頭山の坑道に仕掛けて爆発させる手はずだったが、火山噴出物によって潜入飛行機が墜落し、戦闘と起爆を担当するコマンド部隊が全員死亡したために、生き残ったのは爆弾の解体&工作が専門で戦闘は不得手の爆発物処理班部隊員数名のみとなってしまう。韓国軍の工兵隊大尉チョ・インチャン(ハ・ジョンウ)は何とかリ・ジュンピョンを探し出すが、原爆を狙って、アメリカと中国もコマンド部隊を現地に投入していた…というお話で、 危険な爆発物の決死の輸送-「恐怖の報酬」 自然災害の危機を工兵部隊が収拾するー「アルマゲドン」 少数決死隊の敵地潜入&爆破作戦-「ナバロンの要塞」 南北両方の兵士の友情の形成と共闘&自己犠牲-「トンマッコルへようこそ」 …といった作品に、ローランド・エメリッヒのディザスター映画:「デイ・アフター・トゥモロー」、「2012」…の自然災害パニックを加味した活劇となっています。 更に、噴火による治安機構の崩壊によって国家体制が瓦解する北朝鮮 それをチャンスとばかりに核兵器を狙う中国 韓国内では自国軍&民を優先して避難させ、朝鮮半島の火山被害よりも自国の利益のための核の横取りを画策するアメリカ 実質的な統治権はアメリカに握られているために表立って行動できない韓国政府中枢 …といった複雑な国際力学も物語に組み込まれていて、 天災と人災の両方から攻められる作戦部隊員の頭脳と気力を尽くした奮戦をハラハラしながら応援する作劇となっていますし、戦闘&交渉のベテランである北スパイを演じるイ・ビョンホンと俄か指揮官となった退役予定の工兵隊長を演じるハ・ジョンウの凸凹コンビの友情の形成も活写されてゆきます。 “白頭山が何の前触れもなく突然大噴火”という奇抜なアイディアを、現在のリアルな半島情勢を採り込んで見せてゆく娯楽作で、男子優先傾向が強い韓国では胎児の性別を堕胎が非合法になる28週まで知らせないことも判りますよ! ねたばれ? 本作を観ていて、宮沢賢治の「グスコーブドリの伝記」を連想した人は手を挙げて!

閲覧数778