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ミナリ (2020)

MINARI

監督
リー・アイザック・チョン
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3.45 / 評価:620件

何スンジャ!

タイトルの「ミナリ」は、韓国語で香味野菜のセリ(芹)。たくましく地に根を張り、2度目の旬が最もおいしいことから、子供世代の幸せのために、親の世代が懸命に生きるという意味が込められている。
             公式HPより



1980年代のアメリカ。カリフォルニアからアーカンソーに移住してきた韓国移民のジェイコブ(スティーブン・ユアン)一家。トレーラーハウスの近くにある養鶏場でヒヨコ選別のアルバイトをしながら、韓国野菜の栽培で一山当てようとこの地に越してきたのだ。滑り出しは順調、しかし災難が次々と一家を襲い…



ソウル育ちの妻モニカは単調な田舎暮らしに不満タラタラ、心臓の持病を抱えたデヴィッドもおねしょ癖が一向に治らない。堀り当てた井戸の水も直ぐに渇れてしまい、ジェイコブはやむなく有料の水道水に手をつけるが、あてにしていた取引先には裏切られ、水道代すら払えなくなってしまうのである。



米国の大ヒットTVドラマ『大草原の小さな家』を思わせる移民のド根性物語が現代アメリカ人のハートに響いたのかどうかはわからないが、コリアンメインの地味なキャスティングながら本作はオスカーにもノミネートされ、バアちゃん役のユン・ヨジョンが見事助演女優賞に輝いている。コロナ禍中のアジアンヘイトに配慮した受賞だったのかもしれないが、理由はそれだけではないだろう。



デヴィッドの子守としてモニカが韓国から呼び寄せたスンジャ。おバアちゃんらしいことは何一つできないものの、身体の弱かったデヴィッドの健康状態もいつのまにか改善、韓国から持ち込んだ花札のおかげで、デヴィッドにアメリカ人の友人までできるのである。監督リー・アイザック・チョンの子供時代を投影したというデヴィッドと通った“秘密の泉”でスンジャは孫にこう諭すのである。「目に見えない危険が最も恐ろしい」と。



まさにコロナのメタファーかにも思われるその「目に見えない危険」とは一体なんだったのだろう。ジェイコブは農場経営に、そしてモニカは家内安全に執着しすぎたあまり、お互い助け合うことを忘れた夫婦におとずれた“離婚の危機”だったのではないだろうか。スンジャの身体に起きたある異変によって、崩壊の危機にあったジェイコブ一家は一命をとりとめるのである。「バアちゃんの手柄」の一本なのだ。

詳細評価

物語
配役
演出
映像
音楽

イメージワード

  • 勇敢
  • 絶望的
  • 切ない
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