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上映中

アオラレ (2020)

UNHINGED

監督
デリック・ボルテ
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3.58 / 評価:323件

解説

運転中のささいなトラブルが思いも寄らぬ事態へと発展するサスペンススリラー。信号で言い合いになった見知らぬ男から、執拗(しつよう)に追跡されるシングルマザーの恐怖を描く。あおり運転をエスカレートさせる謎の男をオスカー俳優ラッセル・クロウが演じ、『スロウ・ウェスト』などのカレン・ピストリアス、『チャイルド・プレイ』などのガブリエル・ベイトマンのほか、ジミ・シンプソン、オースティン・マッケンジーらが出演。『幸せがおカネで買えるワケ』などのデリック・ボルテがメガホンを取った。

シネマトゥデイ (外部リンク)

あらすじ

寝坊した美容師のレイチェル(カレン・ピストリアス)は、息子のカイル(ガブリエル・ベイトマン)を学校へ送りながら職場に向かう途中、大渋滞に巻き込まれてしまう。いら立つ彼女は、信号が青になっても発進しない前の車にクラクションを鳴らして追い越すと、ドライバーの男(ラッセル・クロウ)は後をつけてきて謝罪を要求する。彼女がそれを拒否し、息子を学校に送り届けガソリンスタンドに寄ると、先ほどの男に尾行されていることに気付く。やがて、レイチェルは男の狂信的な行動に追い詰められていく。

シネマトゥデイ (外部リンク)

映画レポート

(C)2021 SOLSTICE STUDIOS. ALL RIGHTS RESERVED.
(C)2021 SOLSTICE STUDIOS. ALL RIGHTS RESERVED.

「アオラレ」瞠目すべきクロウの怪演。車道の殺人鬼を描く現代の「激突!」!!

 「アオラレ……脳内の考えが周りの人に知られちゃうやつ?」って、それは20年前に公開された本広克行監督の「サトラレ」(01)だ。ここで触れるのは、公道で車間距離を詰めたり、危険な追い越しを指す、あの社会問題にもなった「あおり運転」が発端の新作スリラーだ。

 15歳の息子を持つレイチェル(カレン・ピストリアス)は運転中、行く手を阻み難癖をつけてきた素性の知れぬ男(ラッセル・クロウ)に対し、自分に非はないと主張して場をやりすごす。

 だが、それが怒りを誘引したのか、男はレイチェルをどこまでも車であおって追い回し、さらにあろうことか、彼女のネット端末から個人情報をさらい、レイチェルの身内と接触しては各自を血祭りにあげていくのだ。常軌を逸した殺人行為、いったい当のレイチェルはどうなってしまうのか!?

 落ち度のないドライバーが大型トレーラーの襲撃に遭う「激突!」(71)や、殺人鬼を乗せた大学生の受難を描いた「ヒッチャー」(81)など、車道でとんだトバッチリを食らうこのテの映画は脈々とあり、「アオラレ」はその最新版だ。「危険運転で接近してくる、肥大化したラッセル・クロウ」という絵ヅラだけでも人類は恐怖に駆られるのに、彼が演じる怪キャラクターは狂気を膨張させ、あおり運転だけで事を済まさない。己れに理解を示さぬ者を執拗に追い詰め、関係者を片っ端から手にかけていく。まさに無秩序の極みだが、現代社会の歪みが生んだモンスターとしてどこか悲劇的で、また巻き込まれるヒロインもやや道徳心に欠けるところ、そこは作品にかろうじてメッセージ性が含まれている。あおり運転に始まり、現代のネット社会にまで魔の手が及ぶ、これぞまさしく新時代の「激突!」。いや本当、面倒でもパスワードはちゃんと設定しておこう。

 加えて本作の恐怖を倍化させるのは、キャリアのプラスになるとも思えぬ、ラッセル・クロウのやりたい放題な怪演だ。2000年製作の「グラディエーター」で悲劇の剣闘士を体現し、栄えあるオスカーを受賞。後年「レ・ミゼラブル」(12)では主演のヒュー・ジャックマンを差し置き、じつにいい湯加減で熱唱。以前とは何だか性質の異なる役者になってしまった。今回も「ワールド・オブ・ライズ」(08)のときのようなスーパー増量によって、両国でよく見かける巨漢に変身! と言いたいところだが、じつは肉体スーツを着込んで役作りをしたらしい。腐っても名優、あまりアオラレ、いやサトラレたくない事実かも。(尾崎一男)

映画.com(外部リンク)

2021年4月29日 更新

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