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アメイジング・グレイス/アレサ・フランクリン
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アメイジング・グレイス/アレサ・フランクリン

AMAZING GRACE

912021年5月28日公開

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5.0

アレサが歌うとどんな曲も神への祈りになる

アレサ・フランクリンの歌唱はもちろん、聖歌隊とバンドと観客が一つになったグルーヴ感に魂を揺さぶられる。昔の作品なので映像は荒いが、音は良く、その場にいるように感動した。ライブ録音にこだわったのはアレサ自身らしい。子供の頃から牧師である父のもとでゴスペルを歌い続けた彼女にとって、教会で人々とともに歌い祈る、この環境こそが本物なんだろうと思った。 「彼女は何でも歌える」と牧師が言うように、アレサが歌うとどんな曲もスケールが大きくなり、格が上がる。他愛ないラブソングであっても神の愛や人類愛を歌っているように聞こえる。アレサにとっての歌は神に語りかけるものだったんだなと改めて感じた。どんなにポップスターとして売れようが、アレサの父フランクリン牧師が言う通り、彼女が教会から離れたことはないのだ。 私のようにキリスト教の信仰を持たない人が聞いても、歌に込められた深い思いに感動する。アレサの曲を知らない人でもきっと何かを感じると思う。 観客のリアクション込みでステージなんだと痛感する。コロナ禍で叶わなかったが、発声上映で見たいと思った。表情やジェスチャーで情動をあらわにする観客たちの姿に、こちらもさらに感動する。 ほぼ黒人コミュニティで埋め尽くされた観客席の隅で、若き日のミック・ジャガーが遠慮がちに見学している。このロックスターに誰ひとり騒がないのがさすがだ。クイーンオブソウルが目の前で絶唱しているんだからそれどころじゃないか。

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