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ドリームランド
2021年4月9日公開

ドリームランド

DREAMLAND

PG121012021年4月9日公開

wxj********

5.0

ネタバレ破滅的な逃亡劇の束の間の幸せが美しい

1930年代半ば、荒涼としたテキサスが舞台。 成長して17歳となったユージンの、生い立ちが紹介されて始まる。 実の父は彼が幼い時に家を出ており、義理の父との関係性は良くない。 厳しい父にもウンザリ、退屈な日常に囚われて鬱屈した日々を送っている。 田舎の閉塞感が漂い、いつか現状から抜け出したいと願っている。 そんな中、地元の銀行が襲撃され、強盗犯が指名手配されたと知る。 ユージンはその夜に納屋に行くと、大怪我を負った女性と出くわす。 その女性アリソンこそが、警察から追われている強盗犯だった。 危険人物と知りながらも、アリソンに惹かれ匿うことにするユージン。 怪我の手当てをし、服や食料を運んでしばらく世話をする事に。 いつ見つかるのか、スリリングで終始ハラハラドキドキだった。 特に妹の存在が、まだ幼く純粋なだけに危うくて、ヒヤヒヤさせる。 物語は、この妹が成長して語り部となり、終始展開していく。 逃亡のための車を頼まれるのだが、直ぐに準備するのも難しい。 潜伏が長引くほどに、見つかるリスクは高まるばかりで焦燥感が募る。 そんな緊迫感のある状況下でも、次第に距離を縮める過程が素敵。 ユージンは25歳だと偽るが、実際はまだ無邪気で無垢な17歳だ。 フィン・コールが、めっちゃ可愛くて眩しくてキュンキュンした! 若いってだけで素晴らしい!若いって武器!若いって罪!(笑) 年上の女性への憧れ、まだ見ぬ世界と自由への渇望、すごく分かる。 捜査の包囲網をかわし、自由を掴み取ろうと必死のアリソン。 希望に満ちた新天地への憧憬を膨らませ、日常から脱却したいユージン。 ユージンは、彼女と一緒に街を出て逃げると決意する。 アリソンは、彼の真っ直ぐな想いに戸惑いながらも、罪悪感を募らせる。 彼をこのまま巻き込んでしまっていいのか、葛藤するのだが。 過酷な現実から逃れるという夢を共有した二人は、行動を共にする事に。 アリソンはユージンだけが頼りだし、ユージンにとってはアリソンが救世主だ。 ここじゃないどこかに自分の居場所があると、彼は確信している。 いざ、出発してからの緊張感ある展開は、さらにハラハラドキドキ。 新天地での新たな生活を夢見て、期待を高めるのが余計に切ない。 逃亡劇が儚げで、危うくて、ヒリヒリと胸を締め付けられて苦しい。 これから巻き起こる苦労を考えるほどに、束の間の幸せが刹那的。 瞬間の愛の煌めきが、限定的であるほどに切なく美しいもの。 お金を得る手段も、なんでそうなるの、ってほど短絡的で破滅的。 追い込まれた人間の深層心理というのが、切なくてよく分かる。 アリソンだって、こんなはずじゃなかったと思うだろう。 咄嗟の出来事でうろたえるユージンの姿も、めっちゃ納得。 頼もしいようで、彼はまだイノセント残る経験乏しい少年なのだ。 そして待ち受ける、衝撃の二人の運命とは・・・。 ハッピーエンドともバッドエンドともとれる、複雑な余韻を残す。 破滅の道を突き進むしかなかった運命の皮肉が、切なくてたまらない。 若いっていいなぁ、と、つくづく若さの無限の可能性を感じた。 儚いラブストーリーであり、自ら運命を切り開こうとした少年の勇気と挑戦と成長の物語。 フィン・コールのカッコ良さを含め、とても楽しめました。

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