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七つの大罪クラブ 生贄になった少女たち

つとみ

3.0

ネタバレ内容は良かったけれど尺を詰めすぎ

七つの大罪のそれぞれの名を冠された女学生が次々と殺害されていくスリラー。 主人公の女学生とは別人で、自分が湖に沈むまでの物語と語る「高慢」の、おそらく死者であろう者によるナレーションは面白い手法だったと思う。 信仰心の篤い地域というのは、程度の差はあれ全ての人が神を信仰している。むしろ熱心でなければ悪だと言わんばかりの勢いだ。 悪魔崇拝なども出てくるのだが、悪魔崇拝は普通の信仰があってはじめて成り立つものだ。神がいなければ悪魔は存在できない。 つまり悪魔を崇拝する若者がいるような地域は信仰においてかなり熱心であり、最早常識といえるレベルで根付いているのだ。 作中には違う神を信仰していそうな花屋の夫婦や、信仰心の薄そうな都会帰りの保安官などがいる。 この事件の首謀者である「高慢」の女学生は少なからず彼らにもダメージを及ぼしたわけで、全方位に向けた攻撃性は凄まじい。 この高慢さとは結局、己の信じる神こそが絶対だというものだ。 強い信仰心が「高慢」となり、それが教えの中で罪になる「矛盾」の状態はとても面白かった。 実行犯であった監察医の男は信仰に対する罪を犯していてそれを「高慢」の女学生に利用されるわけたが、ギリギリになって彼女を撃つことになるのは、彼が求めていたものは罪に対する「赦し」であり、「赦し」を忘れた「高慢」はただの罪でしかなく、彼の信仰心からすれば悪そのものだったということたろうか。 こんな感じで内容は良かったと思ったけれど、実際はそこまで面白くはなかった。 まず登場人物が多すぎて覚えきれず、作中で名前を言われても誰のことだかわからない。 AさんとBさんがその場にいないCさんの話をする。Cさんが誰だかわからないとサスペンス部分そのものがよくわからなくなってしまう。 次に感じたのが、なんだかペースがモッサリしているなということ。 サスペンス的な要素も含まれているのだろうが、ハラハラするようなスピード感がなかった。 にもかかわらず、明らかにぶつ切りで尺を詰めているのだからよくわからない。 3人目とか4人目などは本当に一瞬で殺されてしまって無意味。絶対もっと何かあったと思う。 「高慢」の女学生は失踪していただけのはずが、いつの間にか死んだことになっていて、それもビックリした。 彼女が死んだとされるシーンはそれなりに重要だと思うが、ほとんどなかったせいでわかりにくいし面白さが削がれる。 もしかして一瞬入るバラを咥えたシーンが彼女が死んだことを示唆しているのか?だとしたらさすがにちょっと無理があるだろ。イメージ映像かなにかだと思ったぞ。

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