2022年2月11日公開

国境の夜想曲

NOTTURNO

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国境の夜想曲
3.4

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作品情報上映スケジュールレビュー

作品レビュー(6件)


  • mai********

    4.0

    戦争の傍にある日常

    そして、日常の傍にある戦争。 今は大きく報道されることもないから目で見ることもないのだけれど ウクライナにロシアが侵攻している件 首都キーフにだってミサイルが着弾してるはず。 その意味ではここで観る映像とそんなに変わらない。 生の傍に死があり、死の傍に生がある。 その毎日。 それをただただ淡々と、延々と映像記録として残した作品。 戦えば必ずこうなる。 それでもあなたは戦いたいですか? 戦えるようにしておくべきですか? 不戦の誓いはそんなに軽い誓いではないはずです。 2022年4月24日シネマテークたかさきで鑑賞

  • dkf********

    2.0

    監督の独りよがりな「動く写真集」

    うーん、こういうのが一番困ってしまう。全編が静謐さに満たされた映像詩。一見ドキュメンタリータッチの雰囲気だが、固定カメラときっちり計算された構図はリアルに撮られた臨場感がないことから、おそらくこれは創られたモキュメンタリーだろう。「動く写真集」としては申し分なく上質だが、ナレーションもテロップもなく、本当に映像の力だけで100分引っ張る力業。この手の作品は前向きに捉えるといくらでも褒めようはあるが、正直観るのはかなりしんどい。称賛するレビューが多い中、ここはあえて否定的意見で他と違いを出したい。 よく「映画館で観なくて良かった」という感想はあるが、これは是非とも映画館で観るべき作品だと思う。この映像美は大画面で観てこそ価値あるものだし、メディアで観たらつまらなさに5倍速モードで20分くらいで飛ばし見して終わるだろうからだ。 途中うつらうつらしながらなんとか完走したが、もう一回観たいとは絶対に思わない。

  • nn1********

    4.0

    一口寸評

    アフリカ、エリトリア出身のドキュメンタリー作家。 20代後半にデビュー、ヴェネチア映画祭で金獅子賞の『ローマ環状線』(13)、ベルリン映画祭金熊賞の『海は燃えている』(16)に続く6作目。 自らカメラを背負い、一つのテーマに時間をかけて取り組むので寡作である。 今作も、イラク・シリア・レバノン・クルディスタンの国境地帯で3年以上に渡り撮影。 といっても、ナレーションも字幕もないので、そこがどの辺なのか地名もわからない。 いまだ銃声の絶えない瓦礫だらけの町、監獄跡の廃墟で息子の死を悼む母たち、女性だけの国境警備隊、精神病院の風刺劇練習風景など。 子どもたちのトラウマはISISの残虐行為、何と悲しいことだろう。 なべて映像は美しく、それは和平への祈りに近かった。 9・11同時爆破テロから早20年、世界はどこで間違ったのだろう。 とりとめのない語り口はこの監督の作風ながら、どうも性に合わなくて、ドキュメンタリーとしては評価するもこの評点に。

  • ********

    4.0

    100年の嘆き

    2020年。ジャンフランコ・ロージ監督。第一次世界大戦前にまでさかのぼる中東問題の影響で、恣意的な国境線に翻弄されて生きる人々。日常的に銃声が響く中で漁をし、狩りをする。ISISに連れ去られた娘からの連絡を繰り返し聞く母、狩りを手伝うよりほかにすることがない青年。そんななか、精神病院では彼らの苦難をストレートに表現する芝居の稽古が始められる。 女性兵士が最前線でなにもない草原を見つめ続けている。何も起こらないが、これが国境に翻弄されるということなのだ。夜中に川に漁に出るときでさえ、遠くで銃声が聞こえている。アメリカ軍の戦車が国旗をはためかせるが、なにをするわけでもない。当たり前のように戦争がある光景。人々はそれを受け入れて黙って生きているが、認めているわけではない。その嘆きの表現が精神病院で企画されている芝居というのがなんとも切ない。

  • まっとさん

    4.0

    悲劇的であるとともに美しい映像詩

    ドキュメンタリー映画とPR文中に書かれていますが、じっさいのところドキュメンタリーではないような気がします。それよりも「映像詩」という表現がピッタリくるかもしれません。  ”戦場となって破壊された街、土地”生き残ったものの心に痛みを抱えた人びと、とくに女性たちや子どもたち”を否応なく美しく詩的な映像で描いていきます。物語もありません。たぶんロージ監督が重要と感じた目の前の事実を提示すること。  そのためのカメラは常に三脚をつけて固定、フィックスされ動きません。一枚ずつ絵画のようです。  「夜」という原題のようですが、描くのは夜ないしは明け方という時間帯、日中であっても薄暗くどんよりとして時刻は分かりません。  地域も不明です。3年以上もの時間をかけてイラク、クルディスタン、シリア、レバノンの国境地帯で「国境に沿って取材した」と冒頭に英語で書かれていますが、どこかは不明です。そもそも中東の紛争では国境に意味はありません。残虐な人びとと苦しむ人がいるだけ。  境界線などないのです。国境にも時刻にも。街や土地も形なく破壊されあいまいなものばかり残されています。  しかし、そんななかでも人びとが生きて暮らしがある、という厳然とした事実。そこに人間の再生の力を感じ取ることができます。

  • sunset3620

    5.0

    人が支配される怖さと美しい映像

    監督が頌歌と云う作品。どこに居ても、どんな状況でも朝は必ず訪れる。東京で見るこのフィルムは只々美しいと感じてしまう。今の日本で生きる自身を考えさせられた作品。

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