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上映中

茜色に焼かれる (2021)

監督
石井裕也
  • みたいムービー 160
  • みたログ 308

3.82 / 評価:257件

とにかく尾野真千子。今観るべき怪作。

  • syb******** さん
  • 2021年5月27日 22時52分
  • 役立ち度 16
    • 総合評価
    • ★★★★★

尾野真千子の熱演に拍手と今年の主演女優賞を贈りたい。
他の方も書いているように、ストーリー云々よりも(と言ってはアレだが)、主演女優の熱意に感動。
彼女の映画での代表作になることは間違いないだろう。

どこにでもいそうな主婦から風俗嬢まで、様々な顔を日々使い分け「お芝居」する一風変わった主人公・田中良子。
腹に一物ありそうで少し痛々しくも映るほど強い母親像がぴったりで、鬼気迫る演技は「圧巻」の一言。
衣服を脱ぎ捨て、文字通り身体を張った刺激的なシーンも久しぶりに挑戦している。彼女にしか出せない色が存分に発揮されていた。

和田庵や片山友希の好演も、彼女に引っ張られて引き出されたものが大きいのではないか。あと若手の「ぎこちなさ」を蒼く魅力的に見せる石井監督の手腕も。
永瀬正敏も確固たる安定感で彼女たちをしっかり支えている。

そして、そこには居ないはずのオダギリジョー夫の面影が全編に渡って感じられるのもこの映画の優しさに繋がっている。

要素がかなりてんこ盛りではあるが、監督の怒りが伝わるからマイナス要素とは思わない。むしろ計算を度外視したところが石井裕也作品の好きなところ。

コロナ禍の日本を初めて本格的に描いたチャレンジングな映画としても価値が高いが、あくまで主体はその中で愚直に生きる母子の物語。安易にすべての問題を解決しようとしない姿勢にも好感を持った。

ヤフーでは賛否分かれているが、キネマ旬報では高評価で、今年の賞レースにも絡んできそう。

こういう賛と否がはっきり分かれる作品を私は「怪作」と呼んでいる。
ラストシーンはまさに怪作らしいラスト。

最後に、、、映画をひとつ届けるのもあまりに大変な今の状況。
映画を作るって本当に命懸けで途方もなく大変なことだと思う。
すごく苦しい状況。
さらに意味不明の映画館休業要請を受け、特に「茜色に焼かれる」はもろに打撃を受けている。

だからこそ我々観客も、決して生半可な気持ちで向き合ってはいけないと考える。自分の書いたものに対する責任がある。
本当にちゃんとした気持ちで向き合って見ているのか、最低限の礼儀はあるのか、疑問を感じざるを得ないレビューも残念ながら世にはある。
それは賛否と関係ない部分。あまりにも悲しくなる。
映画と、それに携わる人たちに少しでも前のような日常が戻ることを願います。

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