あらすじ・解説
「ホープ・ギャップ」と呼ばれる美しい入り江のあるイギリス南部の町シーフォードに暮らすグレース(アネット・ベニング)とエドワード(ビル・ナイ)は、連れ添って29年目を迎える熟年夫婦。独立して家を出ていた一人息子のジェイミー(ジョシュ・オコナー)が久々に帰ってきた週末、エドワードが突然「家を出て行く」とグレースに別れを切り出す。その理由を聞いて激怒し動揺する母、彼女を支えるジェイミー、そしてエドワードは、自身の生き方や家族との関係を見つめ直していく。
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作品レビュー(13件)
- ひーろーかむおん
3.0点
加齢のためか、近頃、書くのが滅法界億劫になってきたので、要点のみを記す。 あらすじは、横着をして、WOWOWの解説の次のとおり。 『イギリス南部、海辺の町シーフォード。 この地で暮らすエドワード(ビル・ナイ)とグレース(アネット・ベニング)は、間もなく結婚29周年を迎える熟年夫婦。 無口でおとなしい性格のエドワードは、強引なところのある妻の言い分を長年黙って受け入れてきたが、息子のジェイミー(ジョシュ・オコナー)が久々に帰省したある日、ついにグレースに別れを告げると、家を出て行ってしまう。 思いも寄らぬ事態にグレースは動転して怒りを爆発させ、ジェイミーは彼女をなだめるのに苦労するはめに。』 贔屓のビル・ナイとアネット・ベニングの名前が見えたので観てみる。 邦題からして、ほのぼの系かと思ったら、グレースのモラハラぶりが凄まじくて怖気づいてしまう。 怒りに任せてビンタまで繰り出す始末だ。 29年もの間、恐妻家に甘んじてきたエドワードの根性無しにも困ったものだが、若かりし頃はそれなりに反論したものの、口八丁手八丁のグレースに遣り込められて、唯々諾々として従う方が精神的に楽と思い込んでしまったのだろう。 そんなエドワードに寄り添ってくれる女性が現れたので、その人と共に残りの人生を歩む決意したとしてもなんら不思議はない。 で、エドワードは小さなトランクを片手に家を出て行ってしまうのだが、グレースは「あなたに愛されなくなるとは思わなかった」と怒り狂い、戸惑い、憔悴して、一人息子に仲裁の労を取ってもらうものの、エドワードの熱は完全に冷え切っているのだった。 この一人息子のジェイミーが実に良くできた子だ。 幼少の頃、両脇の両親に手を繋がれて、ブランコのように揺れながらの散歩は、今でも至福の想い出なのだった。 で、両親の人格を尊重しつつそれぞれの言い分を聞き、また、アドバイスもしてみるのだが、2人の溝は一向に埋まる気配は感じられないのだった。 グレースは「離婚より未亡人がイイ」とほざいているし、淋しさを紛らわすためにワンコを飼い始めたら、その名前はエドワードだ。 グレースにとって、エドワードはペット的存在に過ぎなかったのか? 「幸せの答え合わせ」をしてみたら、バッテンだったという内容だったが、両親思いのジェイミーの優しさのお陰で、各々が新しい道を歩み出すラストはちょっぴり涼風が感じられたかな。 また、両親の離婚を通じて、ジェイミーも一回り大きく成長したに違いない。 原題は「Hope Gap」だが、内容的にも相応しく、また、荒涼とした断崖と美しい入江も正しく「Hope Gap」で、一見の価値は十分にありの3.4点といったところかな。 (メモ パスワードを忘れてトラブってしまったので、新たに開設した。 旧(fg9)レビュー数:4100件、新レビュー数238件目)
- at_at****
5.0点
このレビューにはネタバレが含まれています。 - cha********
4.0点
母親のいらっとする高圧的な理屈ばかりの一方的な会話 普通の映画だと途中で改心して旦那様と友達になる とならなくて最後まで高圧的でそのまま終わってイライラするけど とても綺麗な景色 とても綺麗な音楽 とても素敵な詩 ていい映画になっていると思います
- raz********
5.0点
味わい深い映画である。かつて幸せな時期もあった夫婦。結婚29年目に突然、夫は妻に、今まで立派な妻に相応しくあろうとして苦しんできた挙句、自分が楽でいられる相手に出会ったと言って、家を出て行く。 始めは、強権的な妻の意に沿おうと努力してきた夫と、それを理解しないで際限なく要求する妻、という図式に見えるが、人間関係は双方が影響し合って作られるものである。今の妻の夫への姿は今までの夫の妻への接し方の積み重ねが作った、と言える。その逆も言える。妻だけを責めることはできない。この夫は、自分に合う女性と事故のように恋に落ちたと言っているが、自分が限界を感じた時にそばにあった、居心地のよい空いた椅子に滑り込んだに過ぎないようにも思えるのである。 この母を支えようとする息子が関わり、家族一人一人の新たな人生への希望が兆してくる人間模様にイギリス名詩が重なって、人生への応援になっている映画である。このような会話ができる家族関係が、日本で可能だろうか、と羨ましくもあった。
- arl********
4.0点
お話は解説の通りで厳しいながら身につまされるようなものでした。 エドワード(ビル・ナイ)のウィキペディア趣味からのナポレオン軍兵士の日記の引用や、アンソロジーを編纂するグレイス(A.ベニング)が引用する詩がとても素晴らしくちりばめられていました。美しい脚本です。 主演3人はそれぞれにハマっていてほぼ完ぺきのできですね。 グレイスが教会に行った後、「キリエで6回(だったかな?)「憐れみ」を祈ったわ」なんて言ってました。この後しばらくしてモーツァルトのハ短調ミサ(K427)のキリエがかかります。美しい!レクイエムじゃなくてこの曲を選んだセンスが最高です。 邦題はちょっと違うと思うぞ。
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