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MINAMATA―ミナマタ― (2020)

MINAMATA

監督
アンドリュー・レヴィタス
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  • みたログ 1,009

4.26 / 評価:868件

リアリティの無い空気感

  • cineman81 さん
  • 2021年12月5日 8時17分
  • 役立ち度 3
    • 総合評価
    • ★★★★★

真面目な作品であり作り手の情熱も感じるが、いかんせん何か私達が知る熊本や水俣ではなく、遠い国の御伽噺のようなリアリティに欠ける作品になってしまっている。これは単にロケ地がセルビアやモンテネグロであったというよりも、微妙に日本とは違うセットや家屋の天井の高さや、八代海とは似ても似つかない海から、その違和感を嗅ぎ取るのだろう。もちろん熊本すら知らない外国人にはそのようなディテールは関係ないのだろう。しかし、当事者やあの事件を知る日本人にとっては、やはり何か違う世界での再現でしかない。もちろんそれらは作品の本質とは関係無いのだが、この作品では、水俣は奇妙な駅、被害者宅、暗室部屋、病院と工場だけで、まるで水俣という街が無かったかのような印象を受ける。住人の住む生きた街の匂いがしないのだ。豊かな自然で豊かな生活がかつてあった水俣の痕跡が無く、事件の場所としてしか水俣が舞台になっていないのだ。ユージン・スミスのPOVにしかなっていないのは、製作側の弱点をさらけ出してしまっている。そこに生身の人間の生活があるからこそ深刻な事件になるのではないか。
もちろんこの作品には表現上優れた点は沢山あるのだが、このあまりにも日本らしからぬ、変な透明な空気感、昭和独特の照明の無さ、水俣の街の存在感の無さが、深く物語に入り込めない違和感を増幅させてしまうのだ。
さらに5万ドルの買収のエピソードはフィクションであり、物語をわかりやすくしようとした制作側の勇み足であった。

詳細評価

物語
配役
演出
映像
音楽

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