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復讐者たち
2021年7月23日公開

復讐者たち

PLAN A

1102021年7月23日公開

ta7********

5.0

被害者は記憶し加害者は忘れる戦争も虐めも

ストレートなナチスドイツに対する復讐談で未遂に終わったけれど史実に基づくとはまるで知りませんでした。冒頭とラストに問う「兄弟・両親・子供が何の罪もなく突然殺されたら、あなたはどうする?」と。  冒頭のシーンは過酷で強烈である。やっとナチス降伏で開放されたユダヤ人が故郷に帰ってきた、殆ど死神のようにやせ細った体で「私達を密告したのはあなたか?」と。対するドイツ人の答えが「終戦だからってのさばるんじゃねぇぞ」と暴行までする。さらに後になって彼の妻子の最後を知る女性が登場しその惨状を語る。「突然森に連れ出され、一列に並ばされ地面に大きな穴を掘らされ、片っ端から銃で殺され穴に倒れこみ、弾がなくなったらナイフで、それも疲れたら生きたまま穴へ埋められ、翌日も盛られた土が動いていた」と。  もう誰だって復讐の鬼になりましょう。で主人公は約束の地パレスチナ行きを翻し復讐地獄に一直線。NAKAMなる別組織から、NATO軍も入り交じり少々混乱もしてしまう、おまけにほとんど暗いシーンの連続でテーマとは別に手法に工夫が欲しかった。クレジットからして最初から英語作品として作られたでしょうが、少々違和感あり。  いよいよの段階で計画実行を阻止するグループも入り乱れ、だれが誰だか混迷を深めてしまうが、「復讐として大量殺戮を実行したところでこの悪の連鎖は止まらない、我々が平穏に生涯を全うすることこそが復讐に値する」と、まっとうな言葉が発せられ、未遂に終わる。ドイツの贖罪は日本の比ではなく、徹底している。本作の最後の最後にも忘れてはならぬ、歴史は繰り返すと。被害者はいつまでも記憶し、加害者は忘れピリオドをつけたがる。だから一旦加害したらもはや止まらぬ連鎖を引き起こす、だから一切の暴力・戦争そしていじめも無意味となってしまう。繰り返し繰り返しナチス映画は作られるのもそのためでしょう。

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