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復讐者たち
2021年7月23日公開

復讐者たち

PLAN A

1102021年7月23日公開

bakeneko

5.0

ネタバレ呼ばれて飛び出て…今度はユダヤ人か―死神

1945年に実際に起こったユダヤ人組織:ナカム:NAKAM(ヘブライ語:נקם「復讐」の意味)によるテロ計画を描いた歴史夜話サスペンスで、原題はPlan Aであります。 1945年の敗戦直後のドイツ。ホロコーストを生き延びたものの妻子を殺害されたユダヤ人男性のマックス(アウグスト・ディール)は、放浪中に英国部隊に所属しているが密かにナチスの残党を処刑しているユダヤ旅団兵士たちと出逢う。やがて彼らは私刑行為が露見した為にベルギーに配置転換されるが、リーダーであるミハイルは別の目的でドイツに留まる。彼はドイツ人全体を復讐のターゲットとして暴走するユダヤ人組織ナカム:NAKAMのテロがユダヤ人の風評を落として、イスラエル建国における国際的認知の妨げになると考えて、テロ計画を探るために収容所帰りのマックスをNAKAMに潜入させる。しかしNAKAMの仲間たちと知り合い、自分と同じように家族を惨殺された彼らの経緯を知るうちにマックスは復讐の為に水道水に毒を混入させるPLAN A計画を中心となって推し進めるようになってゆき…という実話に基づいたお話で、終戦直後のユダヤ人組織による復讐計画やイスラエル建国への動き、そしてイスラエル建国をちらつかせてユダヤ人を自軍に引き入れる英国の狡猾さ…などが興味深く示されてゆきます。 ホロコーストの生存者のナチスへの復讐譚と独立懲罰隊の暴走の様子から「イングロリアス・バスターズ」も連想させる作品ですが、最後の最後で決行を思いとどまる主人公に人間の理性を提示して鎮魂の祈りで締めていますよ…(でも、パレスチナ難民に攻撃されたら10倍返しする最近のイスラエルを見ているとちょっと鼻白むなあ~) ねたばれ? 1、映画ではPLAN Aの失敗によってテロ計画は消滅&NAKAMが解散したかのように暗示されていますが、実はNAKAMにはPLAN Bもあって、続いて決行されたこちらの作戦は部分的に成功しています(以下)。 PLAN Aの失敗でリーダーのアバ・コフナーが拘束され、毒(ヒ素)も大半が投棄没収された為に、ドイツ人全員の殺害は無理となったので、ターゲットを米軍の収容所に収監されているナチスの戦争犯罪人に絞った殺害計画:PLAN Bが計画された。 ニュルンベルクの捕虜収容所では日曜日はドイツ人だけに黒パンが支給されることに着目して、パン工房に潜入した工作員が、黒パンの底部にヒ素を塗り込めることに成功し、1946年4月23日に2283人のドイツ人捕虜が中毒で病気になり、207人が重傷で病院治療を受けたが死者は出なかった。実行者たちはチェコスロバキア→イタリア→フランスへ無事脱出した。 2、ヒ素は液体よりも結晶で運んだ方が隠しやすいのに…

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