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ONODA 一万夜を越えて
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ONODA 一万夜を越えて

ONODA/ONODA, 10 000 NUITS DANS LA JUNGLE/ONODA: 10,000 NIGHTS IN THE JUNGLE

1742021年10月8日公開

hmf********

3.0

リスペクト失敗

まず、ある軍の試験に落ちて、失意の底にあった小野田さんが中野学校に拾われたような表現の冒頭シーンがおかしい。小野田さん自身、自動車の運転や写真撮影ができて、語学力もあったから選ばれたんだ、と著書に書いておられるのだから、そういった長所をきちんと描いてあげてほしかった。飛行場襲撃のような派手な戦闘シーンを描いていないことは、外国人の観客に「日本兵は野蛮だ」という印象を与えないのでありがたかったが、小塚さんが漁師の銛で刺されて亡くなるシーンなど、フィリピンの人たちを野蛮に描いているから微妙な気分になった。小野田さんの周囲の方が戦死された状況を丁寧に描いているから、亡くなられた方(小野田さん自身を含む)に対するリスペクトの気持ちを監督さんは持たれているのだろうけど、肝心なところで映像表現優先の事実改変があって残念。 そして、小野田さんを描くなら、帰還してからのインタビューや事業経営について触れなければ、小野田さんが単に「兵士として強かった人」になってしまう。 ただし、映像表現は一級品。小野田役と小塚役の俳優さんは途中で交代しているが、本当に同一人物が年老いたようにしか見えなかった。 全体の流れも、もう3時間も経ったのかと思わせるよう緩みなく構成されていたし、音楽で感情を引っ張ろうとせず、BGM少な目にしていたこともよかった。 最後に蛇足ですが、僕が和歌山県人なので、父親の発言はやっぱり紀州弁にしてほしかったわ。

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