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オールド
2021年8月27日公開

オールド

OLD

1082021年8月27日公開

cal

2.0

ネタバレ納得できない謎ばかりなのに監督ファミリーで頑張ったと言われても

完全にネタバレで語ります。 とにかく、色んな部分で何故?と思わずにはいられない映画だった。 とあるリゾート施設の隔絶されたプライベートビーチ、背後は一面の岸壁、目の前は海しかない入り江のビーチ。 そこを訪れた数組のカップルや家族がビーチに閉じ込められる閉鎖環境もの。 しかも、このビーチは特殊な場所で時間の流れが通常より物凄く早い。 1日、2日で人生を丸々過ごしてしまう。 子供はどんどん成長し、大人はどんどん老化する。傷も高速で回復する。 そんなビーチから脱出はできるのか?というサバイバル?サスペンス?パニックムービー?ホラー? まぁとにかく、この作品は大きく分けると三つ、①閉ざされたビーチからの脱出、②時間の流れの謎、③そんな環境での人と人の関わり合い この三つによって作られていると思う。 先に結論を言うと、この①~③の全てにおいて自分は全然納得ができなかった。 こういう謎のある映画は、物語が進むにつれて真相が分かり、「なるほど!そうだったのか!」となる部分が気持ちの良いポイントだと思うのだけど、とにかくそういうものとして、設定が決まっているからそうなっているというレベルでしか考えられていなかったと思う。 (ここから、映画のキーとなる部分も完全にネタバレで語ります) まず①についてだが、結局このビーチは地球環境が自然に生み出した偶然の産物であり、特殊な鉱物が特殊な磁場を作っている奇跡の場所だったわけだけど、そんなことがあり得るかと言う部分は置いておいて、あの岸壁から発せられる謎の磁場により生物の時間の流れが加速してしまう。 そんな場所からの脱出だが、入ってきた岸壁の隙間や海を泳ごうとすると急激な磁場変化に体がついて行かず、気を失ってしまう。 というのが閉じ込められた人々の考察だった。 その後も本当のところは語られず、あくまでこの考察が真相として考えると、さて、まずこのビーチに入って来る時に全員一度気を失うべきですよね? 成長速度が加速するという負荷がかかるのはむしろ通常の場から特殊な磁場環境に入った時の方なので、出る時に気絶するなら入る時の負荷はもっと酷い筈だと思うのですが。 そして肝心なビーチの脱出ですが、サンゴの中は磁場がどうなっているのでしょうか? サンゴが磁場をシャットアウトしているのなら急激な変化によって気絶すると思うので、あのサンゴ自体も磁場を持っているのでしょうか? だとしたら、今度はサンゴから離れると気絶するのでは? そして、そんな特殊なサンゴならオジサンがサンゴが嫌いなはずも無く、当然採取して有効利用するだろうし(磁場環境に入る特殊スーツを作るとかサンゴが磁場を持つのなら持ち帰って簡易特殊磁場環境をラボに作るとか)抜け道を放置するわけがないと思うのですが。 何故、ラストで彼らが脱出に成功したのか監督は説明できるか疑問でしかなかった。 その流れで②についてもやっぱり納得ができない。 時間の流れは生きている生物にしか影響が及び難い。 髪や爪は死んだ細胞だから…って監督、本気で言っているのでしょうか? 髪や爪が伸びる部分は細胞めっちゃ生きてますよね? そして、死亡した女性は白骨化し、その骨まで風化しかけましたよね? あれ?骨とかまで影響するなら…。 医師の持っていたナイフもサビましたが、あの時まだ1日も経ってないですが磁場に影響されてます? 物が影響されるならビーチに持ち込んだ物すべてあのナイフのさびるような速度で劣化するし、水着なんか当然夜にはボロボロ、翌朝は全裸。 そもそも、食べ物はすぐ食べられなくなるし、体の成長速度と摂取カロリーが全く合っていないと思うのですが…。 赤ちゃんの体がついて行かなかったのは分かるけど、だとしたら大人も子供も全員すぐに脱水症状で死に至る気がするし、そんな場所での治験は信用できるのか相当に怪しいのは医者じゃなくても分かりそうですが…。 ラボに例の腫瘍らしきものがありましたが、あれ、どうやって持ってきたのでしょうか? 時間の流れ的にあの場から持ってくる前に腐敗するはずだし関係ないのかな? そもそもの話、①的にあの場からどうやって持ってくるのか、また、一度実験をした後の片付けはどうするのか? ヘリで降下して何年か寿命を犠牲にしてまたヘリからロープを降ろされて空中で気絶したまま回収されるのかな? とにかく、閉鎖環境で人生を丸々見せるみたいなこと優先で作っており、ハッキリ言って考えが足りていないと感じました。 なので③についてもかなり考えが足りない。 6歳の子供が体がデカくなったら勝手にセックス覚えます? エロ本一冊無い、2,3時間の間に勝手に体だけデカくなってセックスを覚えて妊娠させた後のセリフが、1回や2回じゃ妊娠しないんじゃないの?ってどういうことでしょうか? 成長と共に見える色が変わった増えたというのも、長い人生の暗喩であれば分かるけれど、当の本人達は今まさに肉体的に超スピードで変化していますよね? 普通は精神が肉体について行かないと思うのですが…。 そして、その精神的な変化というのは、単に肉体的に成長すればいいということではなく、色々な体験によってもたらされると思うのは私だけでしょうか? そういう意味では、ビーチに閉じ込められる前、両親の言い争いを聞こえないふりをして遊ぼうという姉弟の方が遥かに精神的に大人側に近づいているように見えました。 それもこれも特殊な磁場の影響で精神にも変化がというのであれば、彼らは子供なら50年、大人なら死ぬまでずっとビーチに閉じ込められた人間の精神状態になると思うので、ラストはもっと大暴れ、50年閉じ込められた分の恨みを爆発させる気が…あんな、悪い人はお巡りさんに逮捕して貰おうなんてヌルイ話で終わるでしょうか? とにかく、謎が鍵になる映画なのに肝心の謎が納得できず、私は映画の最後まで実は磁場というのはミスリードで、本当は製薬会社の放射線治療からの発見であの場は放射線により植物の成長力が高まったりするラジオアイソトープを人間に応用した研究をしているのだと思っていました。 個人的には今でもそっちの方がまだ納得がいく。 あくまで人為的な装置によるあの場であれば片付ける時など自由にオンオフができるし、より故意的な人体実験というラボの非人道性も高まるし、あの場に植物や魚がいないのも全ては人為的に作られた場だからで遺伝子組み換えで植物は云々等全てラボのコントロール下にあった方が良かったと思う。 最後に、この映画が全体的に徹頭徹尾完璧な理論構成をして作ろうとした映画ではなく、いわゆる寓話的な、何かの暗喩として作っているだろうことは私にも分かる。 丘の上からビーチを監視する男はこの映画の監督のシャマラン本人だったわけで、そこも映画監督と物語の舞台との寓話。 サンゴからの脱出なんて監視者も予期せぬ?奇跡が起きることもあるのがムービーなんだと言わんばかりの基本的に寓話として見るべき映画だというのも理解できる。 レンタルしてきたブルーレイの特典映像で、とにかくこのシャマラン監督が娘と一緒に作った傑作だと語っており、シャマランファミリーの思いがこの映画に乗っかっているんだろうなとも思う。結果としてあの一家の家族の物語で落ち着くわけでラッパーも医者も様々な人種、職業の人達はあのファミリーの周辺の人々でしかなかった。物語の芯の部分は人生を共にする家族の話。 でも、それならやっぱり時間の流れ、育つ環境等に対して、精神的な変化を安易に考えすぎじゃないかなぁという気がどうしてもしてしまった。 特典映像での娘押しは正直に言って個人的にはこの映画にむしろマイナスに見えた。 娘が6歳の頃の知識から急激に大人になったらセックス覚えるの?というのはまぁ書いてて私の方が意地悪だと思うけれど、映画全体を通して、娘から「パパ、これは変だってwww」というツッコミは時間の流れにしてもなんにしても一切無かったのだろうかと、シャマラン一家では爪は死んでるから伸びないとかハッキリ言えばご都合主義全開でも娘もパパも皆スルーしてて平気で、傑作傑作と身内褒めだけで平気なのかと正直感じてしまって、だったらむしろオマケ映像は見ない方が良かったと思った。

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