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Our Friend/アワー・フレンド
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Our Friend/アワー・フレンド

OUR FRIEND/THE FRIEND

1262021年10月15日公開

dtm********

3.0

ネタバレいい話なのは認めるけど……

この映画も最近はやりの演出手法によっている。すなわち焦点を最後まで明かさずに物語世界の全体像を見せる。この物語の内容はすでに予告編などで伝わっているからなのだが、この演出手法によった理由が理解に苦しむところだ。  映画は2015年に雑誌に掲載された手記に基づいているということだ。ジャーナリストのマシュー・ティーグ(原作者)は妻のニコルを癌で失う。その闘病期間に、彼ら家族に寄り添った友人に対する手記である。  友人のデイルは舞台女優のニコルの劇団の同僚であった。デイルは彼女が既婚とは知らずデートに誘う。そんなおかしなエピソードから、夫のマシューともどもの深い友情に結ばれてゆく。  映画は従来の闘病ものの軌道に沿った内容だが、ここに描かれるのは真実に基づいている。ニコルは結局2年間の末期の闘病生活の後に亡くなるのだが、その間のティーグ家の家庭生活をデイルは様々に支える。夫婦にはふたりの娘がいる。この親子関係も結構ややこしいというところも描き込んでいる。  これ以外にも夫婦の危機とかデイルの危機など、それぞれが経験した人生様々な諸相が織り込まれており、単なる闘病映画というよりも友情物語というほうがぴったりくるかもしれない。闘病とは彼らの友情を友情たらしめる舞台みたいなものなのだ。  とまあ、これだけコメントすればなかなかいい映画なのではないかと思う。なるほどいい映画の要素は持っている。ただどうもこのメッセージが十分に伝わるようには演出されていない。  原作の記事のタイトルは「The Friend」でそれを「Our Friend」に変えたのだからもっと夫婦目線を強調して描くべきではなかったのか。デイルとの友情の存在があまりに周囲に目配りしすぎているので十分に響かない。主役3人の存在は悪くないし、特にドン・ジョンスン、メラニー・グリフィスを実親に持つ(従ってティッピー・ヘドレンは祖母)3代目女優のダコタ・ジョンスンは好演だけに惜しい内容である。

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