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クーリエ:最高機密の運び屋 (2020)

THE COURIER

監督
ドミニク・クック
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4.23 / 評価:568件

ひとりの将校が守ったもの

  • chu***** さん
  • 2021年9月23日 16時24分
  • 役立ち度 23
    • 総合評価
    • ★★★★★

男は第二次大戦を戦った。
男はフルシチョフを危険と思った。

ソ連の軍人の間ではモンタナが一番人気なのかな。確か、“レッドオクトーバーを追え”でもサム・ニール扮する将校がモンタナに住むって夢を語っていたような記憶がする。
今回の将校もモンタナを口に出す。モンタナを選ぶ心が、争いを厭う心を表している気がして切なく思う。

クライマックスにかかるバレエの鑑賞シーンで、主人公が感情が高ぶって感極まるところは、状況はもちろん違えど、私にも同じような経験があり、すごくよく理解出来た。パニック寸前の緊張状態なのにバレエ(あれは椿姫だった)を観て、なんか現実逃避で頭真っ白で集中したためかいつも以上に感動してしまったのだ。その記憶が蘇るシーンだった。

米ソ冷戦も世代によっては歴史の授業の一片なのかも。機密情報の解禁文書も近年だいぶ増えて、この物語の二人もやっと語られることができたのでしょうか。
米ソ冷戦下のスパイの暗躍や政治の駆け引きをめぐる小説も映画は多い。キューバ危機をめぐる映画も事欠かない。X-MENでさえキューバ危機を防ぐ英雄談だ。
この物語もそんな中の一片。
しかし、多くの人間の犠牲の上に今の和平がある現実は埋もれさせてはならない。
多くのフィクション小説も映画も憶えがある者には、演出も結末も予想を裏切るわけでもないが、それでも、事実死んだ人間がいたことは無視出来ない。
彼がモンタナに住みたいと本当に言ったのかは知らない。情報と引き換えに金銭をもらっていなかったのか、ただ戦争を避けたかったから軍事機密を西側に渡したのか、亡命が目的だったのか、真実は知る由もない。
ただ、生きて帰ったひとりのセールスマンが語るを考えるしかない。
当時、多くの一般人が、セールスマンのように、家族のためだとスパイ行為を強要され、又はただ荷物を運ぶだけ、と強要されただろうと推測する。それは西側東側どちらも変わらぬいやらしい国家の強要であっただろう。
多くの人はそれに逆らう術を持たない。
そのうち、東西問わず、何人が無事に任務から解放され普通の生活に戻れただろう。
セールスマンのように全員が生きて戻れただろうか。おそらくそれを語る機関は永遠にないだろう。

冷戦ものらしい緊迫感のある映画に仕上がっている。
カンバーバッチは、平均的な中年体型から収容中の過酷な生を物語る激やせ体型まで身体を作っている。
映画制作への関係者全員の意気込みと丁寧さが感じられる作品だった。

主演はもちろんカンバーバッチであるが、ソ連側の主役を演じたメラブ・ニニッゼがとてもよかった。私は彼の作品では“ジュピターズ・ムーン”がとても好きだ。

詳細評価

物語
配役
演出
映像
音楽

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