2021年10月9日公開

夢のアンデス

LA CORDILLERE DES SONGES/THE CORDILLERA OF DREAMS

852021年10月9日公開
夢のアンデス
4.2

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作品情報上映スケジュールレビュー

あらすじ・解説

アンデス山脈のふもとにあるアトリエで暮らす、彫刻家のフランシスコ・ガシトゥアは、石と金属を使用した作品を製作する。同じく彫刻家のビセンテ・ガハルドは、家族が持つ採石場で石を掘り出すことから始め、その石を掘り進めてアート作品に変身させていく。そして映画監督のパブロ・サラスは、1980年代以降、軍事政権による暴力や民衆による抵抗を記録し続けてきた。

シネマトゥデイ(外部リンク)

本編配信

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予告編・動画

作品レビュー(4件)

悲しい25.0%切ない25.0%勇敢12.5%不思議12.5%スペクタクル12.5%

  • mot********

    4.0

    言わずとも語る

    自然の中にある国、人、情報量が極めて少ないにもかかわらず、深く豊かに描くパトリシオ・グスマン。言わずとも語ることが出来るのが映画。

  • nn1********

    4.0

    一口寸評

    『光のノスタルジア』(10 未見)『真珠のボタン』(14)に次ぐ、チリ・ドキュメンタリー3部作の3弾目。 主役は、国土の80%を占めるという母なるアンデス山脈。 その神々しい姿を、様々な角度から空撮した映像がまずは絶品。 社会主義国だったチリは、73年の9・11、米国主導の軍事クーデターにより国の安寧が失われた。 後半は、当時のピノチェト首相による独裁政権と市民との闘争の記録だ。 何万年も聳え立つ山々が見つめてきた、人間の豊かさと愚かさ。 監督は若い頃に、祖国の裏面史「チリの闘い 3部作」(75~79)を製作、迫害を受けてフランスに亡命した。 祖国に戻れぬ彼に代わり、現地で40年近く撮影を続ける仲間のカメラマンの家には、民衆のデモを撮り溜めたフィルムが、負の遺産として埃のように堆積し続ける。 首相が変わっても国家の体制はさほど変わらず、国民の遺恨も消えていないようで悲しい。 この作品の予習として『真珠のボタン』も鑑賞。 海底で発見された真珠製のボタンの由来と、国全体が面する海への想い。 そこで暮らしていた原住民であるインディオたちの末路などが、宇宙と水との因果関係も絡めて、壮大かつ哲学的に語られる。 植民者によって、原住民がゲーム感覚で殺された過去については、北米の歴史を鑑みれば予想がつく。 だが、南北に縦長の国の両極端の環境を、美醜関係なく活写した映像には未知の驚きがあった。 そして、昔カヌーで海を漂い暮らしていたという、身体に様々な装飾文様を施したインディオたちに、強烈なロマンを感じたのである。 こちらがチリの近代史とすれば、『夢のアンデス』は現代史だった。 『真珠のボタン』の評価は4.5★。

  • mik********

    4.0

    未来のチリはどこへ行くのか?

    現代チリ三部作の最後にふさわしく、アンデスの地響きと絶景にいまもつつくチリのクーデターやデモを風景に、これからのチリはどこへ行くのかを考えつつも、三部作をすべて見て良かったと感じた、85分でした。

  • j9i********

    5.0

    最後の目撃者、アンデスの白き峰々

    初っ端から余談であるが、チリでは、2019年地下鉄運賃の値上げに抗議する学生デモが起こるが、その辺りから近頃のデモでは、日本の漫画のキャラクターがプラカードを賑やかしていると聞いた。びっくり。 なぜそんなことを思い出したかというと、今回語られたひとつがデモであったからだ。 長年、デモを撮影し続けた、本編の主演のひとりである映像作家曰く、デモの内容も年月とともに変わってきた。最近は困ってるんだ。撮影しようとするとスマホ持った人が邪魔するんだ(苦笑)。 そして、本作の始まりが、現在の地下鉄であったから。 ひっきりなしに走行する地下鉄、プラットホームを行き交う人々、その背景にあるは、一枚の写真。写真? プラットホームの壁にあったのは雄大な一枚の絵画であった。アンデス。 その絵に立ち止まる者はいない。生まれたときから生まれる前から遥か昔より聳え立つ峰々。当たり前にそこにあり永遠にそこにあると疑わないもの、アンデスの峰々よ。 海と天空の砂漠がみてきたものをまた山もみていた。チリの大自然を背景に紡がれたチリの闇、または負の遺産の歴史を紐解くドキュメンタリー。 「真珠のボタン」「光のノスタルジア」そして本作「夢のアンデス」 この作品を観るにあたり、前二作の記憶を思い返した。 本作の語り手たち。 国を出た者。それは、パトリシオ・グスマンとアンデスを描く画家。 国に残った者。それは、鑿をふるう者、デモを撮影し続ける記録者、作家、歌う者。 ある者は、思い出の中の峰々から ある者は、作り上げる彫刻から ある者は、デモをする若者を映しながら ある者は、奪われた鉱山と独裁者が居た廃墟のビルを眺めながら、 ある者は歌に想いを込め、 祖国を振り返り未来をみる。 そして気づく。 そこでなにがあったのか全てを見ていたものがあることを。 そしてそれが外と自分たちを隔てていることを。 アンデスの峰々を。 前二作は、チリという大地で消えた人々を語った。 本作では、人ではなく経済政治に言及する。 そして特筆すべきは、その柔くも鋭い矛先をアメリカ合衆国に向けたことだ。 緩やかに正しく国民の意思で選んだ政権が社会主義政権であったため、合衆国は敵と断罪した。彼らは、徹底的にチリを攻撃し遂にはピノチェトを使いクーデターを起こさせた。 その後の血塗られたチリ誰もが知るところだ。 しかし、本作で語られるのは、合衆国が民主的に選択された社会主義政権を問答無用で崩壊させ、チリを自国が推し進める新資本主義市場の実験場にしたことである。 チリはけして豊かな財政国家ではない。 8割が山岳地帯である。そこにある鉱山は国の最重要の輸出産業であったが、その全てが外国企業に売られてしまったことで、国に歳入が無くなったことも指摘する。 遠い山から黙々と真っ直ぐに何処かへ向かう貨物列車。誰もその行き先を知らない。 石畳に残る死者の名前。16歳。 多くの少年たちが弾圧で虐殺された。 理想を掲げた国づくりは芽を摘まれ踏み躙られ残された人々の貧富の差は益々ひらく。 それでも、時代時代の若者は、けして声を上げることをやめない。 運賃下げろと勇ましく鬼滅の刃の人気キャラ伊之助の絵を描いたプラカードを掲げた若者の魂は、先人の魂を受け継いでいるに違いない。 上映時間90分 岩波ホールにて

スタッフ・キャスト

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基本情報


タイトル
夢のアンデス

原題
LA CORDILLERE DES SONGES/THE CORDILLERA OF DREAMS

上映時間

製作国
チリ/フランス

製作年度

公開日