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上映中

最後の決闘裁判 (2021)

THE LAST DUEL

監督
リドリー・スコット
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  • みたログ 890

4.06 / 評価:756件

600年以上昔の「#Me Too」

  • kako9121 さん
  • 2021年10月15日 16時20分
  • 役立ち度 3
    • 総合評価
    • ★★★★★

久しぶりに気骨あふれる映画を観たという読後感です。13世紀のフランスで本当にあったレイプ事件の裁判と決闘での決着をモデルとした物語。

 「裁かれるべきは、誰なのか?」というキャッチコピーですが、たぶん当時の実態としては裁きではなく、ある種イベントでしかなかったように思えます。エンターテイメントといってもいいくらい。
 600年以上も前からレイプ事件や、その裁判は世間の興味と好奇心を煽るスキャンダルやエンターテインメントで、訴える女性にとっては恥辱の上に恥辱を重ねるものでしかなかったでしょう。

 リドリー・スコット監督ならではの時間とお金をかけた歴史時代劇で、重々しいタッチの人間ドラマです。
 ぜひ多くの人に見てもらいたい作品で、詳細は書きませんが、マット・デイモンが演じる騎士ジャン・ド・カルージュと、アダム・ドライバー演じる、その親友で従騎士ジャック・ル・グリ、そしてジョディ・カマー演じるカルージュの美しい妻マルグリットの、三者の視点で、同じレイプ事件への経緯が語られていきます。
 それぞれ視点で物語られる真相はわずかな違いしかありませんが、決定的に現代と違うのは当時の女性が置かれている状況です。女性は個人として認められず、男の従属物でしかないこと、子どもを産み子孫を作るための存在でしかないのです。

 日本でもつい一世代前はそんな時代であり認識でしたし、今もメンタリティとして、同様に考える人は多いでしょう。
 マルグリットの起こした訴えはたいへん勇気あるものでしたが、あとを継ぐものはなく、600年たった今も社会状況は変わっていません。当然のことですが、当時「Me Too」運動は起きませんでした。
 
 エンディングはとても心穏やかで美しいシーンです。少し救われた気持ちで見届けました。リドリー・スコットは重厚な作りの歴史時代劇を、ひとりの女性に捧げたような気がしました。

詳細評価

物語
配役
演出
映像
音楽

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