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ナイトメア・アリー
2022年3月25日公開

ナイトメア・アリー

NIGHTMARE ALLEY

1502022年3月25日公開

red********

2.0

ネタバレ前半、後半のギャップがあまりにも…

主人公が何者か得体が明かされないまま物語は始まります。とある見世物小屋パークに辿り着いたどこか陰のある主人公は、どうやら金に困ってここで働くようになりますが、ここでの頑張りによって周りの信頼を得ていき、自身の能力もあって一目置かれる存在になっていきます。見世物小屋には、堕ちるところまで堕ちた人間を更に酒浸りにして、鶏の生血を吸う獣人として見世物扱いされている男がいますが、この獣人の扱いがクライマックスへの伏線となっています。  ある日、獣人らのあまりに酷い扱い等に対して警察が大挙してやって来て、パークの閉鎖を迫ります。そこで機転を利かした主人公が、先輩芸人から教わった読心術を使って警察のお偉いさんを籠絡。パークは無事存続できることになります。この手柄に沸くパークで、主人公は見初めていた若い女性芸人の心を射止めて、二人でもっと大きなショービジネスを手掛けるべく、パークを後にします。  ここまでの前半は、落ちぶれていた主人公が成功への足掛かりを掴む成功物語で、概ね主人公は良い者として描かれますが、先輩芸人の女房とこっそりデキてたり、先輩芸人から秘伝の書をくすねたり、所々ダークな面がチラつきます。  2年後という設定で後半が始まると、主人公らは読心術のショーでそこそこ成功をしていますが、相方女性の失敗を罵るなどパーク時代とは違うシビアな主人公になっています。そんなある日、ショーの最中に観客の女性(後に心療ドクターと判明)に読心術のカラクリを暴露され窮地になりかけますが、これも機転を利かせてその女性客のバッグの中身を形状や素材まで言い当てて、逆に拍手喝さいを浴びるのでした。これに気を良くした主人公は、女性客の連れの男性にも即興で読心術を応用した降霊術を仕掛け、これも見事大成功。相方女性やかつての先輩芸人らに戒められていた、行き過ぎた読心術・降霊術の危険性を顧みず、主人公はその男性の個人的な降霊相談にも応じることにするのです。  お金持ちでもあるその男に対する更なる降霊術披露を前に、主人公は、件の心療ドクターの女性を訪ねます。そしていきなり読心術、降霊術の嘘を暴露しつつ、自分と組んでこの街を思いのままにしようと持ち掛けるのです。その金持ちの男が彼女のカウンセリングの患者であることから、その男の過去や悩みを聞き出し、これを降霊術のネタとして使おうというのです。これまで抜け目なさそうに見えた主人公が、あっさりと会ったばかりの女性心療ドクターに手の内を明かし、その後、この女に自分を信用させるべく、金持ち男らからせしめた金も簡単に預けてしまいます。  やがて更なる超大物からも降霊術の依頼がきます。桁違いの報酬を得るチャンスに主人公は沸き立ち、相手の要望に応えるべく更に大胆な降霊術の計画を立てます。この超大物も女性心療ドクターの患者だとわかり、超大物の過去や経歴を彼女のオフィスで盗み知った主人公は、巨額な報酬と引き換えに、超大物の死んだ夫人をこの世に出現させて、本人に会わせようと画策するのです。主人公は反対する相方女芸人を何とか説得して亡き夫人に扮装させ、決行の当日を迎えます。首尾よく現れた亡き夫人に扮装した相方女芸人でしたが、超大物は、主人公の静止を振り切って相方女芸人の所に走り寄り抱きしめてしまいます。間近で顔を見た超大物は、全てのトリックを悟り、猛烈に主人公を罵倒し報復を宣言します。いよいよ追い詰められた主人公は、その場で超大物を殴り殺し、追いかけてきたボディーガードも車で敷き殺して逃走するのでした。  読心術・降霊術といった見世物ショーの域を脱し、読心術・降霊術による詐欺を働いたばかりか、それがばれると平然と殺人まで犯した主人公に、遂に相方女芸人も愛想を尽かし去ってしまいます。  主人公はこの街を離れるべく、大金を預けてある例の女心療ドクターを訪ねますが、そこですっかり信用していたこの女に丸っきり騙されていたことを知ります。自分とグルになって超大物から大金をだまし取った事を告発すると息巻く主人公でしたが、肝心の大金も全ての証拠も露呈しない女の完全犯罪だと悟り、女を殺そうとしますが、警備員が駆け付けて主人公は何も持たずに逃げ去ることしか出来ません。  すべてを失い落ちぶれて酒浸りになっていた主人公は、いつしかとある見世物小屋パークに辿り着きます。そこは偶然にも、自分がかつて働いていたパークを買い取った者が経営していました。落ちぶれてはいるがと、再び読心術を売り込む主人公に、この新たなパークの経営者は言います。獣人をやってみないかと。 「それが俺の宿命だ…」と主人公が苦悶の笑顔を浮かべたところで物語は終わります。  以上のように前半と後半のギャップが凄まじい映画でした。人物的な良し悪しも、能力的な有無も、その前後半のギャップこそ監督の狙いだったのでしょうか。それにしても、前半であれだけ機転が利いて賢そうだった主人公が、後半ではあっさり人を信じて、あっさり騙さるし、いかにも簡単にばれてしまいそうな極めてリスキーな降霊術トリックを仕掛けるし、、、。カナリ強引すぎるストーリー展開だと言わざるを得ません。

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