2022年1月14日公開

シチリアを征服したクマ王国の物語

LA FAMEUSE INVASION DES OURS EN SICILE/THE BEARS' FAMOUS INVASION OF SICILY

822022年1月14日公開
シチリアを征服したクマ王国の物語
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作品情報上映スケジュールレビュー

あらすじ・解説

はるか昔、山頂が氷で覆われた高い山で暮らすクマたちの王、レオンスの息子トニオがハンターらによって捕獲される。レオンス王は息子を助け出すために、仲間たちを率いて人間たちが住む平地を目指して山を下りる。その途中で残忍な大公や化け猫、人食い鬼や魔法使いらに行く手を阻まれるが、レオンス王たちはひるまずに突き進んでいく。

シネマトゥデイ(外部リンク)

本編配信

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予告編・動画

作品レビュー(12件)

ファンタジー17.3%かわいい13.5%楽しい11.5%不思議9.6%知的9.6%

  • yrh********

    4.0

    絵本のようなかわいい映像で、厳しい現実が描かれる

    イタリアの児童書が原作の、フランス・イタリア合作アニメ。私は吹替版を鑑賞したが、元の言語はフランス語らしい。 絵と色彩がとても綺麗で、動く絵本という感じ。キャラクターの造形も可愛らしくて日本人好みだと思う。カラフルでありつつシックな色使い、自然描写も美しい。魔法で猪が風船に変えられてしまうシーンがめちゃくちゃ可愛くて好きだった。ゴーストや化け猫も出てくる。ポップな表現ながら割と残酷なシーンも多いバランスが、ヨーロッパの作品だなあと感じる 決して「熊=自然=良きもの、人間=物質文明=悪」という単純な二元論ではないところが良いと思う。私たちはそのバランスをとるしかないのだが、幸せな均衡を保つことは容易ではない点も真実。また、人間たちの物語と熊たちの真実は少し異なる。自分達にとって都合の良い物語だけを語り継ぎがちというのも事実だなと思う。 賢いクマ王も判断を間違うことがあるし、どっちの味方かよくわからない魔術師も面白い。 ラストに洞窟のクマがこっそりアルメニーナにだけ語った話は観客には明かされず、想像する余地が残されている。子供向けの寓話ながら、ウェルメイドで大人が見ても楽しめると思う。

  • yos********

    3.0

    奥が深い

    可愛らしい画にポップな音楽。 サラッと見ていれば 子どもも大人も楽しめる作品 という印象ではあるが なかなか奥が深い内容であった。 対局にいるものの共存は可能か否か。 最初は共存に向けて良好な関係も 続くかもしれないけれど その中には必ず良からぬことを企む者もいる。 結局お互いを思って 各々の適所にいることが相応しい という印象を受けた。 子どもはどのように感じるのだろうか。 別に人間がクマを追いやった訳ではない。 クマが自らの意志で本来いるべき場所へと 戻っていったのだ。 それはどちらが正しく どちらが良い選択だったのかはわからない。 本作はクマだったから ああ良かったね って終わってるんでしょうけど もっと深いところに本質があるように感じた。

  • mik********

    5.0

    サプライズ感のあった、82分

    まさかまさか早くも配信(シネマ映画.com)クマのサーカスや、戦争、もう一つのエンディングなどクマがたくさん出てくるサプライズ感もあってとてもおもしろかったです。

  • Multiverse

    5.0

    文部科学省特別選定

    途中、長く感じて、寝てしまった。パンフ読も。

  • kan

    2.0

    全てはシチリアから始まる…

    この映画を見た人(イタリア人以外)のどのぐらいが、イタリアの4月25日を知ってるのだろうか? ラッツィオでもトスカナでもなく、「シチリア」を征服する、という意味を。 絵がかわいい、色彩が独特…。フランス的エスプリをまとった、日本にはない洒落たアニメ…。楽しみ方は人それぞれだし、そもそも今回のこの映画を作った側も、21世紀の現在(いま)だから、人間と自然の対立とか、持続可能社会のあり方を問うたりしたかったのかもしれない。それも良きかな。 しかし、原作とその構造を大きくは変えていない以上、原作の持つ意味を少しは考えても無駄ではないように思う。 原作は La famosa invasione degli orsi in Sicilia「かの有名な、クマたちのシチリア侵略」であり、作者Dino Buzzati は現在も刊行されている、イタリアミラノの高級紙、コリエレデラセーラ新聞の記者でもあった。刊行は1945年。言うまでもなく、日本の敗戦の年だが、イタリアにとっては、同年4月25日は、イタリアが「ファシズムからの解放された日」と「されている」のであり、現在も法定休日なのである。 その当否は別として、第二次世界大戦時8月15日までほぼ国民が一丸となってアメリカと戦い、そしてその日を境に、今度は手のひらを返したように、また国民総懺悔から進駐軍占領を粛々と受け入れる、それが日本だったが、イタリアは真逆だった。つまり、1940年にドイツの攻勢をみて参戦。だが、戦局芳しくなく、北アフリカやレニングラード攻防戦での敗退から、43年7月にシチリアに連合軍が上陸を開始するや早々とムッソリーニは政権を投げ出し、9月に臨時政府が全面降伏受諾。しかしこれで終わらないのがイタリアだった。 要するにナチスドイツは、その直後に幽閉されていたムッソリーニを救出して「イタリア社会共和国」なる傀儡国家を樹立する。イタリアは、シチリアから発した連合国側と、ナチスドイツが後見する北側と真っ二つに分断され、南からじわじわとアメリカイギリス連合軍や、「パルチザン」によって「解放」されていく。パルチザン側の組織が、国民解放委員会であり、それが、連合国軍の到着前にナチス=ファシスト政権側の最後の拠点ミラノの解放を成し遂げる、それが4月25日なのである(ただし、パルチザンがイタリアを解放という図式が史実なのかどうかは未だに争いがあって、真実はよく分かってはいない) 作者ブザッティがいたミラノのコリエレデラセーラ新聞社も、この傀儡国家の管理下におかれ、そしてこのミラノ解放の翌日の同紙一面で、解放の意義についての記事を書いたのが、誰あろうブザッティだった、ということである。 今ですら、その評価は定まらないのに、当時において、イタリアがその瞬間に「解放された」のだという位置づけ、つまり、もっとわかりやすく言えば、イタリアは加害者ではなく被害者なのだ、という自己規定を高らかに宣言した側に原作者はいた、ということである。 原作はまさにそのような文脈で書かれた。解放宣言の興奮醒めやらぬままに、これからの時代を担うだろう青少年に向けて書かれたきわめて政治的なプロパガンダ、それがこの「熊の物語」に他ならない。ブザッティにとってのシチリアは、観光名所でも、美食の宝庫でも、アフリカ的エキゾチズムでもない。ブザッティは、シチリアには個人的な縁もゆかりもない、にも かかわらず、なぜ「シチリアへの侵略」だったのか?でなければならなかったのか? それは、シチリアの晩祷事件の、ガリバルディの赤シャツ隊の、つまりは、「そこからイタリア全土が巻き込まれていく」国際紛争におけるイタリア問題の導火線を常に果たしてきた、「シチリア」なのであり、イタリア人ならば、容易にそこに辿り着く、そういうマジックワードなのである。 申し訳ないのだが、原作は『安心して』読める『児童文学』等とは対極にある、きわめてポリティカルな洗脳でしかない。 こういう文脈で今一度、この「物語」を想起されたい。 熊が絶対的に正しいはずが、次第に腐敗する、だから、山に戻るべきだ… 素朴なパルチザンによる、秩序の回復を評価しつつもその政権担当能力への疑問をそこにみることができはしないか? ないしは、連合国軍の理想と現実を読み取ることも不可能ではないだろう。 イタリア文学におけるひとつの伝統、すなわち、児童向けを装いつつも 痛烈な社会風刺や批判が含まれることがあることをある程度は覚悟して 読み解く必要がある。 邦題は、原題中の、famosa 「有名な」をあえて無視している。 単に「クマたちの侵略」だったのが、「クマ王国の征服」になっている。 原作者が、1945年当時において、「有名だった侵略物語」として、読者に想定されうる状況について現代の観客に考えさせる手がかりを敢えて消してしまっている。 映画のフランス語原題でも残していたのに、だ。 人間たちが自らの権力者だった公爵をその座から引きずり下ろし、 外来の権威としてのクマを王に戴く、しかし征服王朝の腐敗は早く、 ついには王朝自らがその座から降りる… ここには、まさに現実における政治権力のダイナミズム以外を見出し難いのに、 本作の映画はそれを読み取ることなく、単なるファンタジーとして描こうとした。 イタリアの戦争責任とか戦後体制といった「現代」にも引きずる深い問題を 考える契機を映画製作側が自ら閉ざしてしまっているところに、本質的な限界をみる。 映画作品としての絵作りには、趣味の問題もあろうが、原作の柔らかいタッチが 自分としては好みだったし、キャラの描き方も、率直に言って雑だと言わざるを得ない。

スタッフ・キャスト

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基本情報


タイトル
シチリアを征服したクマ王国の物語

原題
LA FAMEUSE INVASION DES OURS EN SICILE/THE BEARS' FAMOUS INVASION OF SICILY

上映時間

製作国
フランス/イタリア

製作年度

公開日