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4.0点
分かっている人はいない印象だが、クラシックの素養があると、この映画の本当の主題が見えてくる。 テノール歌手Pavarottiがアメリカで活躍し、そして世界三大テノールとして有名になった後、金稼ぎに走りポップス歌手とデュエットをするようになり、オペラ界から批判されたことを知っているだろうか? 不自然に長いあの濡れ場で流れるオペラ椿姫の「乾杯の歌」は、「一緒にこの時間を享楽的に楽しみましょう!」というオペラのストーリーに沿っていることと、メトロポリタン歌劇場でサザーランドと共演している売れ始めたパバロッティと重ね合わせている。 またオペラ「セビリアの理髪師」の曲が前半のラグビーのシーンと後半の学校のサッカー横のシーンで流れるが、この話の主人公は「上流階級を上手く使う下流階級」である。 つまり、あの下克上の陰謀は既にあのときから始まっていたというモチーフとして使われている。 今やアメリカのメトロポリタン歌劇場にスカラ座は買い取られている、イタリア人の心の痛みに涙が止まらなかった。 これは、国の財政破綻のせいで歌舞伎座を中国人に買われてしまうようなものである。 この映画は単なるグッチ家のスキャンダルの話だけではなく、イタリア人たちの嘆きでもあるのだ。
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