METライブビューイング2021-22/ブレット・ディーン《ハムレット》
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作品情報上映スケジュールレビュー

作品レビュー(1件)


  • cha********

    4.0

    シリアス・ドラマを超一級の歌手たちが歌って演じている、と考えるとよい

    シェイクスピアの悲劇「ハムレット」に基づく歌劇は、これまで有名な作曲家による作品はない。「マクベス」や「オテロ」を作曲したヴェルディでさえ、「ハムレット」は避けたとのこと。登場人物のほとんどがなんらかの狂気を抱え、陰惨な結末に終わるこの悲劇は、芸術的にも、また興行的にも、成功は困難と考えられたからだろう。  今回メトロポリタン歌劇場が取り上げた「ハムレット」は、ブレット・ディーン(豪、現在60才)作曲、N・アームフィールド演出の新作である。調性がつかみにくい難解な旋律、2階席にまでパーカッションを配置した音響効果等に加え、ビジュアル面でも、前王の亡霊は上半身裸、狂乱のオフィーリアは泥まみれの下着姿と、演じる歌手も大変そうだ。  それでも、作者も歌手もオケも美術も、この悲劇から得られるメッセージ(復讐の虚しさなど)を世界に伝えようと、一体になって取り組んでいることが窺え、見ごたえがあった。歌手では、ハムレットのアラン・クレイトン、オフィーリアのブレンダ・レイの力演は言うまでもないが、MET常連のジョン・レリエ(バス)が、①前王の亡霊、②旅芸人一座による芝居で殺される王、③墓掘り人夫 の三役を演じ、大活躍だった。  美しい旋律に酔いたい、一般のオペラファンにはお勧めできないが、シリアス・ドラマを超一級の歌手たちが歌って演じていると考えて観れば、この作品に波長が合うだろう。

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