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選ばなかったみち
2022年2月25日公開

選ばなかったみち

THE ROADS NOT TAKEN

862022年2月25日公開

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4.0

一口寸評

舞台演出家、作曲家、ダンサー、とマルチの才能を発揮してきたイギリス出身の女性監督ももう72歳。 ‘老い’がテーマになったことは必然かもしれない。 ヴァージニア・ウルフの小説を映画化した『オルランド』(92)以降、日本で公開された6本中5本を観てきた相性のいい監督だが、今作は少々飽き足りなかった。 若年性認知症になった元作家の父親(ハビエル・バルデム)と、彼を介助にきた娘(エル・ファニング)との長い一日。 父親の脳には、若い頃の体験や昔の恋人への想いが走馬灯のように去来する。 この手の作品は近頃多くなっている(『ファーザー』(21)など)。 自分も親の介護で経験済み。 夜ごと見る夢も、この父親の幻想と似てきた(よく見る夢は、女性との関係を後悔するものばかり)。 男だしそんな世代だから、この感覚はよくわかる。 手持ちカメラによるクローズアップ主体の映像。 主役二人が嫌いでなければ、その演技表情にうっとりできる。 評価は低くしたが、老後を控えた方たちには見る価値があるはずだ。

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