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スターフィッシュ
2022年1月28日公開

スターフィッシュ

STARFISH

992022年1月28日公開

zer********

4.0

ネタバレ素晴らしい映画体験……だけど少しモヤっと

初めに「実話に基づく」と書かれていたことで、怪物や世界を救えという話になってもこれが単なるB級SF映画などではなく、すべてはメタファーであって現実のオーブリーの心内を象徴的に示しているのだと分かったうえで観ていくことができて、面白い映画体験となった。  個人的な推測でしかないが、あの世界は心を病んで現実逃避した人たちの行き着く場所であり、怪物は「絶望感」などの希死念慮につながる感情の表象なのかなと思った。ゆえに怪物(絶望)に立ち向かう行為は生きようとする意思の表れとして示され、またふとした日常において突然押し寄せてきたりする絶望感のように急に怪物に襲われることもある。そして怪物に殺される、つまり絶望などに圧し潰されれば、現実の世界において自ら死を選ぶことになってしまう。(補足:オーブリーがこの世界に至ったきっかけは親友グレイスの喪失だったが、心を病んだ主原因は罪悪感であることを考えると、怪物はより抽象的に「現実そのもの」を表していると考える方が分かりやすいかも?)  オーブリーは親友グレイスの導きにより、シグナル(おそらく思い出?)の宿る曲とともに、思い出の場所を巡ることになる。グレイスのカセットテープに助けられながら怪物と戦い、次第にカセットテープに頼らずとも怪物と対峙することができるようになり、絶望感へと対処を身に着けていく。そしてすべてのカセットテープを見つけて流すと、それは怪物たちの世界との扉を開く行為だと言われるが、これはおそらくこの世界自体が現実逃避の結果として生まれているので、怪物がいる世界、つまり向き合うべき現実の世界への扉が開かれたということで、オーブリー自身の再生を意味しているのかなと思った。  ストーリーとしては、もともとオーブリーが病んだきっかけの出来事があり、そのとどめとして親友グレイスの死があの世界に入り込んでしまう原因として描かれているが、そのもともとの原因がどうにもモヤっとしてしまう。  自分の理解では、オーブリーがエドワードという彼氏(婚約者)がいるのにビーチで浮気をしてしまい、その罪悪感からエドワードとは一方的に別れることにし、今でも罪(浮気)の戒めとして指輪をつけ続けているという風に思ったが、自分が浮気をしておいて“FORGIVE AND FORGET(水に流そう)”で再生していくのはちょっと都合がよすぎるような気がしてしまった。実際、エドワードの姿があの世界で現れていることからエドワード自身も苦しんでいる(というか浮気されて一方的に別れられたらそりゃ辛いよ)様なので、映画としてはオーブリーが救われているが、全体としてはどうにも救われない感じがモヤっとして残ってしまった。  そのため映画作品としては★5をつけたいが、メタファーだらけの難しさに加えて原因が自分の浮気だったので★4としました。 以下、オーブリーがああなった経緯の個人的推測。  彼氏(婚約者)のエドワードと仲睦まじかったオーブリーだったが、ある日魔が差してビーチで浮気をしてしまう。その罪悪感からエドワードとは別れ、また自らを追い込み心を病む。親友のグレイスからは彼女のお店で“FORGIVE AND FORGET”とアドバイスを貰ったが、このときは心に響かなかった。(ラジオDJをオーブリー以外が務めていたことから)オーブリーは仕事を辞め(または休職)、引きこもりがちとなってしまいグレイスとも連絡はほとんど取らなくなった。一方、グレイスは難病を発病(Sayako "grace" Robinsonさんのことから推測)してしまい病院通いとなったが、病気は治らず、オーブリーとは疎遠のままに病死してしまった。そしてグレイスの葬式に来たオーブリーだったが、グレイスが死んだという事実が未だ受け入れられず、グレイスのパートナーであるマークに慰みの言葉も告げずにその場を後にした。  個人的にはこういう風に思いましたが、皆さんはどういう風に思ったでしょうか?

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