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東京2020オリンピック SIDE:A
2022年6月3日公開

東京2020オリンピック SIDE:A

1202022年6月3日公開

dtm********

4.0

ネタバレ五輪興味あんまりなかったけど

昨年、当初予定を1年延期という異例の開催となった第32回オリンピック東京大会は、様々な意味で日本国内で議論された大会となった。その点で前回の1964年の東京大会とは全く異なる。あの当時は高度成長期の端緒でもあり、日本国内が湧きたっていた。  今回の背景には新型コロナ(COVID19)のパンデミックという世界が変わる感染症があった。この映画でも冒頭でその描写はあるが、これは舞台裏事情に焦点をてたとされる次回作の「SIDE:B」でどこまで明かされるかが興味深い。(というかこちらのほうが興味津々なのだが) 「SIDE:A」は表舞台に焦点を当てている。すなわちアスリートが今回の中心的存在となっている。だが映画は単純なアスリート主体にはしていない。映画は十数名のアスリートを扱うという、点描的なとらえ方をしている。その対象となる人物は様々で、亡命して他国で出場権を得たり、ジェンダーや人種問題に取り組んでいたりといかにも社会派的な視点が出てくる辺りが河瀨直美作品らしいというところだろう。  だがそればかりではない。単純に競技の実現を喜ぶサーフィンやスケボー、特別競技として復活したソフトボールなども描かれる。などなど視点は絞り切れないほど様々だ。映画の統一したテーマなりメッセージをくみ取ることはたぶんできない。  だがその混沌こそ、河瀬監督の狙いでもあろう。そもそも五輪という多様な競技と多数の人びとが集まる大会の総合的かつ俯瞰的な記録など不可能なのだ。このことから映画は敢えて混沌とした構成をそのまま提示する。最後にクーベルタンの努力が大切とかいうメッセージを用意するが作品自体に深く繋がるものではない。はてさて、「SIDE:B」はどういう内容なのか。ともあれこれは国際オリンピック委員会(IOC)の公式記録映画なのである。

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