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白い牛のバラッド

BALLAD OF A WHITE COW

1052022年2月18日公開
白い牛のバラッド
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作品情報上映スケジュールレビュー

あらすじ・解説

シングルマザーのミナ(マリヤム・モガッダム)は、テヘランの牛乳工場で働きながら聴覚障害のある娘ビタを育てている。ある日、裁判所に呼び出された彼女は、1年前に殺人罪で処刑された夫のババクが無実だったと告げられショックを受ける。裁判所に通い、死刑宣告をした担当判事に謝罪を求める中、ミナは夫の友人だと名乗る男性レザ(アリレザ・サニ・ファル)の訪問を受ける。

シネマトゥデイ(外部リンク)

予告編・動画

作品レビュー(24件)

切ない22.2%絶望的18.5%悲しい16.7%泣ける7.4%不思議7.4%

  • yrh********

    4.0

    犠牲と贖罪の象徴としての白い牛。二人は真実から目を背けた

    死刑制度と冤罪事件を問う。死刑を採用している国として、日本の受け止め方は他国とはまた違うのかなと思った。 ミナの前に現れたレザの素性は、観客には早々にわかる。ミナに真実を打ち明けないままに贖罪しようとする彼だが、そんな都合の良い話は通らず、レザにも過酷な運命が訪れる。冤罪事件と、レザの家族の悲劇は無関係なのにまるで神の裁きのようにも見える。しかしそれでもミナは許さない。「目には目を」だ。 もし彼が素直に許しを乞うていたらどうなっただろう。序盤に、冤罪が判明した後、被害者の妻がミナを訪れて泣いて謝るシーンがある。冤罪だったとしても被害者家族は何ら悪くないはずだが、それでも彼女は罪の意識に苛まれる。夫に死なれた妻二人がドア越しに泣き崩れるシーンは胸が痛い。この未亡人とレザは二人とも罪悪感に苦しんでいるが、ミナへの態度は対照的だ。もしレザがこの未亡人のように素直に泣いて謝っていたら、結末は違う形になったかもしれない。 さらにいうと、ミナもまた無意識だったとしても真実から目を背けたように見える。ミナは娘に父の真実を伝えない。言うべきだとわかっているし、娘の担任からもそのように忠告を受けるのに、伝えられない。「真実に向き合うことを拒否している」点で、ミナとレザは同じだ。少し疑えばレザの素性を追うことはできたはずだ(大体、レザの登場は都合が良すぎてあからさまに怪しい)。でもこの優しくて包容力のある男を失いたくなかったのだと思う。 (しかし、ミナがレザの正体に気づかない話運びにはちょっと無理があるなぁと思った。レザを病院に連れていったり彼の家にも出入りしているのに本名に気づかないことってあるだろうか?) イランでの女性の社会的立場についても様々な問題が提議される。親族以外の男が訪ねてきただけで、大家から部屋を追い出される。新たな部屋を借りようにも、不動産屋は女性には家を貸さない。義弟は義姉というより「家の女」として兄嫁に迫ってくるし、義父は金目当てで裁判さえ起こしてくる。とにかく男とつがいになっていない女には過酷な社会なのだ。そう思うと、母と娘の今後は不安しかない。 性的表現の制限が厳しいせいだと思うが、ミナが口紅をひきヒジャブをスッととる仕草で、この後何が行われるのかを暗喩する。控えめだけどはっきりした表現が鮮やかだった。 ミナの夢に出てくる白い牛のシーンが幻想的で不気味で綺麗。イスラム教に詳しい人なら多分、もっと色々と読み込めるのだと思う。

  • bat********

    3.0

    ネタバレ理不尽な運命に翻弄される展開に色々考えさせられた

    このレビューにはネタバレが含まれています。
  • yam********

    2.0

    ネタバレ白い牛は供物かと思ったら捕食者!

    このレビューにはネタバレが含まれています。
  • にゃんにゃん

    3.0

    ネタバレ死刑制度がある国で流していい映画なのか?

    このレビューにはネタバレが含まれています。
  • dtm********

    3.0

    死刑制度を問う姿勢はわかる

    イランはイスラム教を国教とする政教合一の国家である。イスラム社会では女性の地位はかなり低いが、イランはその中でも厳格さな国家だ。その国において、女性の監督が死刑制度に疑問を投じる作品を制作したということ自体、かなり勇気のいる行動であったと思う。  先進国の多くは死刑制度を廃止している。しかし日本はロシアと並び、先進諸国で死刑制度を残している。このことでは国際社会での批判の声もあるだろう。しかし死刑制度には懲罰や犯罪抑止への期待もある。身内を惨殺された遺族が、犯人に極刑を求めるということを一概に否定することはむずかしいことだ。  この作品は冤罪によって死刑にされた犯人の妻を主人公としている。聾唖の娘を抱えるシングル・マザーの主人公は1年前に夫を処刑で失ういわゆる未亡人だ。その彼女のもとに、夫が犯したとされていた殺人事件の真犯人があらわれる。  冒頭でいきなりの悲哀の幕開けとなるわけだが、さらにそこに夫の古い友人を名乗る男が登場。男は昔の借金を返すといって大金をわたし、アパートを追い出される妻に住処を提供する。この男と夫との関係は……?  といったサスペンスが映画のカギとなっている。ただこのサスペンス性は、途中のネタバレによってあっさりひっくり返る。そこから両者の葛藤のドラマとなる、と展開すればいいのだがその辺の処理はどうかと疑問である。  映画はテーマの追及に集中することで、両者の立場を観客に伝える。その手法はまあわからんでもないが、そのことによって中盤辺りで映画の流れはほぼ停止状態となる。長い固定カメラのショットはサスペンスにはつながらないから、正直やたら長いだけの持って回った感に支配されてしまうのだ。  せっかくの設定と、筋の運びはいいのにこれは残念な感じである。結末はサスペンスらしい。だったら終始サスペンスに徹するべきだった。なるほど深刻な題材をつきつけてくるし、観た気にはさせる演出なのだが。

スタッフ・キャスト

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基本情報


タイトル
白い牛のバラッド

原題
BALLAD OF A WHITE COW

上映時間

製作国
イラン/フランス

製作年度

公開日